アングラ雑誌を彷彿とさせる「オレキバ」
書き手は、黒鉄ヒロシや池澤夏樹といった大御所から、北尾トロ、イラストルポライターの内澤旬子まで。デザインは、朝日新聞の新コーナー「GLOBE」も手がける、木村デザイン事務所が担当。「POPEYE」(マガジンハウス)に創刊からかかわっていた寺崎央も編集部員。植松三十里による短編小説の挿絵は、あの小林泰彦。雑誌不況の最中、これだけ豪華なメンツを揃えられる"大型雑誌"はそうそうない。「オレキバ」、B4判と実際にデカイのだ。
「いろいろあって、これでも小さくしたんだよ。本当はもっと大きくしたかった」と編集長の若見唯史氏は語る。
この雑誌の特長が一番出ているのは、16ページにわたる「コラム オレキバ」。34ものコラムには、寺崎による戦後最初のダッフルコートの話もあれば、街で見たマナーの悪い奴への怒りを綴ったものも。よくも悪くも、雑多で猥雑な、ごった煮ぶりで、"雑"誌そのもの。
「オヤジがちゃんと読める雑誌が、ないでしょ。オヤジってカッコイイもんだと思う。流行と関係なく生きている、気位がある。そういうオヤジのカッコよさを表現していきたいですね」
誌名は、原始時代を舞台にした園山俊二のマンガ『ギャートルズ』のキャラクターからとった。片方の牙が折れ、年老いているけれど、勇猛果敢、威風堂々と振る舞うマンモス・オレキバに、若見さん自身、憧れていたから。
第2号は5月前後に発売予定。はたしてどんな牙を向けてくるのか? いまから楽しみである。
(東川端参丁目)
「オレキバ」
2009年2月3日創刊。年4回刊行予定。都内大型書店を中心に置いている。キャッチコピーは、「いゝ大人の、えゝ大人による、えぃ加減の雑本」。雑誌コードがないので、雑誌とうたえず、「雑本」になったんだとか。発行/六耀社 定価/1050円(税込)
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