サスケ、電車内で暴行! 逮捕のウラに隠された後頭部の重大な秘密とは

静岡市内での新刊『芸能通信簿』(静岡新聞社)の出版記念パーティーにて。釈放直後のサスケも登場。

 2月19日の深夜、元岩手県議で親友であるプロレスラーのザ・グレート・サスケが、JR常磐線車内で乗客の男性とトラブルを起こし、暴行容疑で現行犯逮捕された。マスク姿で電車に乗っていたところ、ケータイで写真を撮られ、ケンカになったらしい。

 翌20日朝、サスケをマネジメントしているアルファ・ジャパンプロモーション社長のA氏から連絡があり、南千住署へ同行することになった。

 おとなしいサスケがなぜ事件を? と思ったが、「後ろから写メを撮られて激怒した」と聞いて合点がいった。あいつ、ハゲてるんだよ。ハゲ隠しのために、カツラではなくマスクをしているのだ。ハゲてる人間は後ろから撮られることを嫌う。その感覚は私もよくわかる。

 日頃から後頭部に敏感なサスケは、背後からシャッター音が聞こえ、思わずマスクしていたことを忘れて、激怒したのだろう。

 南千住署の喫煙所でタバコを吸っていたら、コワモテで有名な副署長が出てきた。「高須です」と挨拶したら、「見覚えがある」という表情をした。「書類だけでなく身柄を(検察に)送るんですか」と聞くと、「送るよ」との返事。「ちょっと重くないですか」と言うと、「そんなことはない」と言う。

 最近、目立った事件がない南千住署は、久しぶりにメディアが来たもんで、張り切っちゃったんだろうな。これをして、人は「見せしめ」という。不当逮捕である。

 A氏は、「青少年の夢を壊してしまい申し訳ない」とコメントしていたが、初めから夢なんて壊れている。県会議員になって、マスクを取る取らないでモメて、勝てもしない岩手県知事選に出て……誰にも夢なんか与えてない。与えてるとしたら、「こんなくだらないことをやっても、人間生きていけるんだ」という安心感だけだろう。

 サスケは送検後、すぐに処分保留で釈放になった。これで国政に出ない大義名分ができたな。金もないし、出たってどうせ選挙に通りっこない。相変わらず、リングでは空中を飛んでかっこいいんだから、この際、マスクを取ってスキンヘッドレスラーになればいいじゃないか。マスクもカツラもかぶっている限り、世間にウソをついているという負い目は免れない。

 ちなみに、拘置されている間、マスクを南千住署に没収されたサスケは、私と面会しなかった。「見られたら、ネタにされる」と思ったんだろうな。皆さん、私を含め、ハゲてる人の写真を撮るときは後ろからではなく、真っ正面から撮りましょう。第二のサスケ事件が起こらないための鉄則です。

 最近、私は各週刊誌および月刊誌の編集後記を熟読している。いちばん"しっかり"書いているのは、「サンデー毎日」。昔に比べると3倍くらいの量になっている。内容は編集部員に対してのおもねりばかり。「T記者はスポーツについて造詣が深い」とかなんとか、ウソをつけ。毎日新聞のスポーツ部から来たってだけじゃないか。「裁判で勝った、勝った」とばかり書くのは、山口一臣・「週刊朝日」編集長。

 最近いちばん胸を打たれたのは、「週刊現代」の「音羽の杜から」。乾智之編集長がひとりで東京タワーに上ったときの情景をしみじみ綴っていた。東京タワーは希望の香りがする。私も東京タワーが好きで、一時期、コラムで東京タワーのことをよく書いていた。そしたら、リリー・フランキーに真似された。あのベストセラーが、私の一文にインスパイアされたことは間違いない。

 編集長はいつもひとりぼっちだ。ひとりぼっちで東京タワーに上った気分で、下界を見下ろす。この雑誌は自分のもの。それくらいの志と自信がないとダメ。そんな東京タワー的感覚がなければ、広告主に負け、業界的なプレッシャーに負けてしまう。滅びの産業であることは間違いないのだから、滅びの美学を感じさせないと。「サイゾー」はどうかな?

 私は気に入った週刊誌編集長やメディアの重鎮たちを集め、年に1回「ハリマオ会」という食事会を催している。8回目となる今年、「サイゾー」の編集長を新たにメンバーに加えるつもりだ。今回は、かつて「週刊現代」編集長として100万部近い数字を出していた元木昌彦さんの話を聞く会にしようと思う。場所は、浅草の「どぜう飯田屋」。永井荷風が愛した老舗だ。すぐ近くには、坂口安吾が「テッパンに手をつきてヤケドせざりき男もあり」と詠んだお好み焼き屋「染太郎」がある。鉄板が熱いかどうか、手を置いて確かめる、そんな究極のアナログ感覚を持つ輩の集まりになるだろう。(談)

高須基仁(たかす・もとじ)
中央大学経済学部卒業後、某玩具メーカーにて数々のヒット商品を開発。その後、紆余屈曲があって、出版プロデューサーとなり数々のヘアヌード写真集を手がける。別名、毛の商人。公式ブログ

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