危ない銀行はどこだ? 経済記者たちが語る"激ヤバ"情報

──金融トップのウラの顔まで知り尽くした経済記者たちが、こっそり密談。3大メガバンク以外にも、激ヤバな銀行は数多く存在するようで......。

[座談会出席者]

A......全国紙経済部記者
B......全国紙経済部デスク
C......経済紙記者

A 前ページまでで、さんざんメガバンクの闇について書いてるみたいですけど、これ以上ネタがあるんですかね。

B そりゃあるだろ。だって、闇の部分が経営の大部分を占めているのが金融機関だからさ(笑)。

A 確かに(笑)。それにしても、金融危機が深刻化してからというもの、顧客や消費者を無視した金融機関の姿勢も激しさを増してますね。とりわけ、メガバンクによる貸し渋りや貸しはがしはひどすぎる。

C 昨年後半になってマスコミや政治、行政からの批判が強くなったから、だいぶ慎重になったようですけど、それまではひどいケースもありましたね。みずほ銀行はその筆頭で、同行が貸しはがしを始めたのをきっかけに、一気に金融機関が融資を引き揚げて倒産したケースも多かった。昨年8月に経営破綻した不動産会社のアーバンコーポレイションなんて、その典型。不動産業界では"みずほ倒産"とか"みずほショック"なんて言葉が流行語になっていたぐらいですよ。

B みずほの融資引き揚げが沈静化した理由も自分勝手な話みたいだけどな。

C なんですか?

B みずほ銀行の杉山清次頭取が業界団体の全国銀行協会の会長をやっていて、金融庁なんかから「全銀協のトップが貸しはがしを率先してやるなんてどういうつもりなんだ!」っていう批判が強くなったんだってさ。それで、世間的な体面もあるから「融資の引き揚げは慎重にするように」なんて指示が行内に下りて、現場は戸惑いを隠せなかったみたいだ。

A 融資先の嘆きの声は聞こえなくても、役所の怒りの声は聞こえるんですね(笑)。でも、外資系金融機関のサービス低下もひどい状況ですよ。

C 一部で激しい非難を浴びているのが、新生銀行ですね。新生銀行は、セブン銀行など提携金融機関のATMの利用手数料を無料にして若年層などの口座開設を増やしてきたんですけど、昨年末に他行のATMの利用が多い顧客に「提携金融機関ATMでのお引き出しの回数を現状よりもお控え頂きたい」なんていうダイレクトメールを一斉に送りつけたそうです。サービスを中止するということなら理解もできますけど、利用を控えてほしいなんて話は聞いたことがないですよ。顧客による解約の動きも進んでいるようですけど、新生銀行側はお構いなしだとか。

B 新生銀行は、昨年9月中間決算で192億円の赤字に転落して、事業の立て直しを迫られているからな。そのツケを顧客に回そうという考えなんだろう。外資系というと、あおぞら銀行も業績が相当悪化していたよな。

A 280億円の赤字でした。両行とも外資系ファンドの傘下で、収益を上げるために危険な投資にも手を出していたみたいで、金融危機による打撃で経営状態の悪化は深刻化しています。

C 自力での再生は困難で、経営破綻や身売りをするんじゃないかなんて声も出てるくらいですね。でも、新生銀行が旧日本長期信用銀行、あおぞら銀行が旧日本債券信用銀行で、バブル崩壊後に経営破綻して巨額の公的資金をつぎ込まれていて、いまだに数千億円規模の公的資金が残っている状態。もう一度潰れでもしたら、公的資金を回収するどころか、再び公的資金の注入が必要になるから目も当てられない。

B 外資系ファンドも無茶をやったみたいだけど、最近では日本の金融機関には寄ってもこないからな。ちょっと前までは、地方銀行にまで足を延ばして「将来性に期待しているので出資をしたい」なんて言っていたらしいけど、最近は「日本の金融機関には将来性がない」って、一気に態度を変えられたって、地銀の幹部が嘆いていたよ。

C "ハゲタカ"にすら見捨てられる日本の金融機関って......。

B 要は、バブル崩壊後の経営危機も、公的資金の注入という他人任せの救済で乗り切った銀行は、その後の景気回復期にも満足な経営戦略を打ち立ててこなかったわけだ。そのツケが回ってきているんだろうな。

A 私たちの税金から出ていった公的資金って、銀行にとって一体なんだったんでしょうね......。

B 銀行様にとっては、「寄付させてやった」ぐらいの考えだろうな(苦笑)。

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