レッドカーペットから誕生したシンデレラ芸人の夢とは?

撮影/早船ケン

──深刻そうに会話する女と元カレ。そこに、女の今カレの駅員が、あの車内アナウンスの口調で会話に加わり......というななめ45°の鉄道コント。もはやネタ番組の常連となった彼らに今後の抱負を尋ねてみると、そこには意外なオチがついていて......。

 昨年、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)で人気に火がつき、大躍進を遂げた3人組のコントユニット・ななめ45°。車掌や駅員キャラがボケたおす、得意の電車ネタや秀逸なコントが受け、今ではすっかりテレビでもおなじみとなったが、1年前までは、現在とはまるで違う状況にいたという。

岡安「『いつになったらバイト辞められるかなー』みたいな感じでした。まあ、今後どうなっていくかわからないので、今もまだバイト先に籍は置いてるんですけど(笑)」

土谷「その頃は『レッドカーペット』って番組自体知らなかったですからね。オーディションも受けてなかったし」

下池「ライブなんかで一緒になる芸人仲間たちが、『レッドカーペット』の話で盛り上がってるんだけど『えっ、なんの話してんの?』という感じで。『なんで俺ら、こんなに置いていかれてるんだろう』って(笑)」

 そんな状況から挑戦した同番組で、一躍人気芸人の仲間入りを遂げた彼ら。今夏には、ブレイク以降初となる単独ライブを行ったが、チケットは即完売。ライブは、テレビとも違う、コントの魅力を存分に見せられる場だという彼らに、コントに対するこだわりを訊いた。

岡安「こだわりというか、漫才って生まれてこの方、一回もやったことないんですよ。3人じゃ、どうやって漫才やればいいかもわからないですし」

下池「たまに『漫才やらないの?』『M-1出ないの?』みたいなことを言われたりもするんですけどね。逆に、意地になってやらないみたいなとこはありますね」

 ユニット名の通り、少し斜に構えた答えが返ってきたが、今後の抱負を訊ねると、そこには芸に対するまっすぐで熱い想いが......と思いきや、意外な"野望"が。

下池「毎年1回は単独ライブをやってきているんで、それは続けていきたいですね」

岡安「20年先も続けていきたい。俺、50歳になっても駅員キャラやりますよ」

下池「その頃にはリニアモーターカーになってるかもね」

土谷「車掌さんとか、いなくなってるんじゃない? 全部オートになって」

岡安「そしたら、そのアナウンスの声を俺が吹き込むから」

土谷「そんなに言うなら、もう芸人辞めて鉄道会社に就職しろよ!」

 きれいにオチまでつけて、鉄道会社勤めにはもったいない芸人魂を見せてくれた3人。毎年単独ライブは海の日にやっているそうなので、今のうちから予定を空けておいてはいかがでしょう。
(テルイコウスケ)

ななめ45°
00年結成のコントユニット。左から岡安章介、土谷隼人、下池輝明。担当は、岡安がボケ、土谷がツッコミ、下池が小ボケ。08年5月には「レッドカーペット賞」を受賞。公式HP

『トリオ・デ・カーニバル ACTION STATIONS!』
08年7月に行われた単独ライブが、早くもDVD化。これでライブDVDは4枚目となる彼ら。おなじみの鉄道コントも、ライブらしく普段テレビで見せるものとは違う趣向で練られている。発売/ホリプロ 価格/3990円(税込)
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