世論の反発が足かせとなる炭素税導入の意義と実現性

──日本政府は、2050年までに温室効果ガスの60~80%削減、排出量取引の試験的導入など、温暖化対策としていくつかの方針を打ち出している。しかし、その中に"環境税"が含まれていることはあまり注目されていない。欧米では"炭素税"と呼ばれることが多いが、現在までに、ノルウェーやオランダ、ドイツのほか、アメリカやカナダの一部の州で導入されている炭素税/環境税は、CO2排出削減に効果を上げている。だが、日本では、この炭素税(環境税)導入への道のりは、かなり遠いという。今回は、「その意義と実現性」を問うてみたい──。

【今月のゲスト】

足立治郎[NGO「環境・持続社会」研究センター事務局長]

神保 今回は、NGO「環境・持続社会」研究センター(JACSES)事務局長の足立治郎さんをお招きして、福田ビジョンにも盛り込まれた環境税=炭素税をテーマに議論したいと思います。足立さんは環境に取り組むNGOで構成される炭素税研究会にも、コーディネーターとして参画され、日本ではほとんど見られない環境税に関する著書『環境税 税財政改革と持続可能な福祉社会』(築地書館)を、2004年に上梓されています。炭素税の導入を単なる増税だと思っている人も多く、意外に知られていないのが現状ですが、炭素税とは何か、という説明からお願いできますか?

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2024.11.22 UP DATE

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