日米関係には不必要な "思いやり予算"の矛盾

──4月25日、在日米軍駐留経費負担、通称"思いやり予算"を定めた新特別協定案を3年間延長する案が、参議院で否決された。そもそもは、基地で働く日本人職員の手当のずさんさをアメリカ政府に批判され、日本政府が1978年、年間62億円の日本人従業員の労務費を負担したことが始まりである。しかし、今やその額は2000億円にも上る。果たして思いやり予算は、日米関係において不可欠なものなのだろうか? その中身と必要性を検証する──。

【今月のゲスト】
田岡俊次[軍事ジャーナリスト]

神保 今年4月、国会がガソリンの暫定税率や日銀総裁の人選で揺れている陰で、もうひとつ大きな事件がありました。いわゆる「思いやり予算」を定めた日米の協定を3年間延長する案が参議院で否決されたのです。参議院が外国との条約を否決するのは憲政史上初めてのことで、日本の国会が日米同盟の中で重要な位置を占める思いやり予算にノーを突きつけたことの意味は大きいと思います。今回は軍事ジャーナリストの田岡俊次さんを迎え、この思いやり予算について議論したいと思います。まずは沿革からご説明いただけますか?

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