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[特別対談]石戸諭×辻田真佐憲――つくる会から百田尚樹へ。愛国・保守本市場の変遷(前編)

2020年8月27日 11:00

――毎年のように「日本すごい本」や「嫌韓・嫌中本」がベストセラーとなり、右傾化が懸念される日本社会だが、この流れはいつから始まったのだろうか? また、これらの本の作者は今と昔では大きく変貌しているが、果たしてここにつながりや分断はあるのだろうか? 新進気鋭の若手論客の2人に語り合ってもらった。

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(写真/渡部幸和)

 2018年末に百田尚樹氏の『日本国紀』【1】がベストセラーになったように、「愛国・保守」を打ち出した書籍の出版が目立っている。「愛国ビジネス」とも称されている、この手の書籍が出版業界において大きなマーケットとなっているのは、書店の店頭に棚積みされているのを見れば容易にわかることだが、他方でこの市場が拡大したのは90年代後半になってから。この頃、「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、つくる会)の参加者である西尾幹二氏、藤岡信勝氏、小林よしのり氏らが相次いで著作を世に送り出し、それぞれベストセラーとなったが、それ以前には右派的な書籍でめぼしいヒット作は存在していなかった。

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