世界的な“むし”の権威が語る!――技術革新で変わる採取と新種の発見
2020年12月21日 11:00
2020年8月 1日 11:00
――麻薬密売で大金を稼ぎ、敵対するギャングに殺意を示す――。ギャングスタ・ラップには、そんなことが歌われるイメージがある。しかし近年、こうした歌詞が裁判で証拠になったり、従来とは異なる裏稼業をラップする者も。音楽評論家の小林雅明氏が、今の米国におけるヒップホップと裏社会の関係を考察!
“スキャム(詐欺)・ラップ”の代表的存在とされている現在18歳のティージェイエックスシックス。(写真/Getty Images)
例えば、2010年代からトレンドとなっているトラップ[註]の類いでもいいけれど、ラップ曲を聴いて、ふと素朴な疑問を抱くことはないだろうか。ドラッグ密売稼業でボロ儲けとか、商売敵には実力行使だとか――平たく言えば、犯罪にまつわるあれこれを自分の曲で取り上げるタイプのラッパーは、どんな心理でリリックスを書いているのか、と。曲を聴く限り、ラップ稼業なんかより、“そっち”の商売を続けたほうがよほど稼げるのではと思わされるほど、“そっち”で大成功した体験を自信満々で披瀝する者もいる。中には、話を盛っている者もいるかもしれないし、細部はすべて現実の体験でありながら、それらを素材に新たな物語を描いている者もいるだろう。それらが明らかに違法行為である場合、事実とどこまで折り合いをつけてリリック化してゆくのか。そこから足がついたり、なんらかの問題が生じたりするリスクはないのか――。
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