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【演出家・高山明×政治学者・中島岳志】あいトリ「不自由展」への 政治圧力と 「解放区」で見た希望(前編)

2020年3月 5日 11:00

――従軍慰安婦や天皇をテーマにした展示作品を発端として、さまざまな件が話題になった「あいちトリエンナーレ2019」。炎上のさなかで前向きに問題への対処をみせた演出家の高山明と、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授の中島岳志が対談。これが今後、表現の自由、ひいては日本のアートにどう影響を与えるかを語った。

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(写真/増永彩子)
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【1】あいちトリエンナーレ2019の展示風景「表現の不自由展・その後」 (提供/あいちトリエンナーレ実行委員会事務局)

 19年に開催された「あいちトリエンナーレ」において、韓国の彫刻家キム・ソギョン、キム・ウンソン夫妻による『平和の少女像』【1】や、天皇の肖像を含んだコラージュ作品を焼くというシーンがある大浦信行のビデオ作品『遠近を抱えてPART2』【2】などを展示した『表現の不自由展・その後』が「炎上」した。ツイッターを始めとするSNSを中心に、慰安婦像や天皇といった見方によっては政治性を帯びるテーマを扱った作品が非難され、萩生田文部科学大臣、愛知県知事の大村秀章、名古屋市長の河村たかしを始めとする政治家たちを巻き込んだ騒動となったのだ。「ガソリンをまく」という脅迫による展示中止、海外アーティストを中心としたボイコット、文化庁による補助金の不交付、そして混乱の中の展示再開……会期中も状況が目まぐるしく変わっていったこの展覧会は今、どのように振り返ることができるだろうか?

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