チャート上位は同じ顔……【オリコン】ランキングが“変われない”理由
2020年1月18日 08:00
2016年8月26日 19:00
全体的に視聴率がふるわず、“夏枯れ”とも評される今年7月クールのドラマだが、中でもダントツで視聴率の落ち込みが激しいのが、向井理主演のTBS系ドラマ「神の舌を持つ男」だ。
向井演じる主人公・朝永蘭丸は、あらゆる物質を成分分析できる神のような舌の持ち主。
主人公と木村文乃、佐藤二朗が演じるメインキャラクター3人が、謎の温泉芸者「ミヤビ」を探して日本各地の温泉地を巡り、行く先々で起こる事件を解決してゆくコミカルミステリーだ。
「演出を手掛けるのは映画監督の堤幸彦氏らですが、オリジナルの脚本でドラマの構想に20年を費やしたという力作だが、いきなりドラマを見た人がなじめない“堤ワールド”を前面に出し過ぎている観もあります」とはテレビ誌編集者。
平均視聴率は初回が6.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とふるわず、8月12日放送の第6話では3.8%にまで落ち込んでしまった。
主にドラマを手掛ける番組制作会社のスタッフはこう話す。
「プライムタイム(午後7時から11時)での視聴率3%台なんてひと昔前なら局のドラマ班が総取っ替えで、関わった制作会社はその局を出入り禁止になるレベルの大問題。スポンサーにも示しがつかないし、いくら裏でリオ五輪の中継があったとはいえ、言い訳の余地がありません」
ここ5年間で平均視聴率が3%台に落ち込んだドラマとしては、12年4月クールに放送されたオダギリジョー主演「家族のうた」(フジ系、最低視聴率3.1%)や13年10月クールに放送された川口春奈主演の「夫のカノジョ」(TBS系、最低視聴率3.1%)、14年7月クールに放送された柳葉敏郎主演「あすなろ三三七拍子」(フジ系、最低視聴率3.6%)、15年7月クールに放送された「EXILE」AKIRA主演の「HEAT」(フジ系、最低視聴率2.8%)、今年4月クールに放送された芦田愛菜とシャーロット・ケイト・フォックス主演の「OUR HOUSE」(フジ系、最低視聴率3.3%)などが挙げられる。
そして今回の「神の舌を持つ男」となるわけだが、低視聴率ドラマの“敗因”について、スポーツ紙の放送担当記者はこう分析する。
「TBS系の2本を抜かしたほとんどは、いずれも“数字”が取れないことで知られる火曜午後10時と日曜午後9時枠。フジの火曜10時枠の制作は主に関西テレビですが、最近ついに英断を下し、今年の10月クールからドラマ枠を1時間繰り上げて午後9時からにしました。日曜午後9時枠は打ち切りが検討されはじめ、TBSの木曜午後9時枠は、川口さんのドラマがきっかけで打ち切りになりました」
そのうえでこう続ける。
「枠の問題もありますが、作品に共通するのは、主人公や作品の設定が現実離れし過ぎていて、視聴者が感情移入できず、1話目の時点でソッポを向かれてしまっている印象があります。いずれのドラマも、主演をつとめた俳優、女優は“低視聴率俳優”、“低視聴率女優”のレッテルを貼られて、同じ局からなかなかお呼びが掛からなくなってしまうので、業界内ではその局の“ブラックリスト”に入ってしまったと言われています」
とはいえ、米倉涼子のようにかつては“低視聴率女王”なる不名誉なレッテルを貼られながらも、その後に良作に恵まれて高視聴率女優として返り咲くケースもある。
向井をはじめて苦汁をなめている俳優、女優にも今後の巻き返しを期待したいところである。
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