つんく♂退任はむしろ好転……?
14年10月、ハロプロの総合プロデューサーから退いたつんく♂。音楽業界からは、「小室哲哉の全面プロデュースから卒業した安室奈美恵のようだ」という意見も。固定のプロデューサーで曲を作り続けるのは、一定の安定感がある一方で、新規ファンを獲得するのは難しいといわれている。
「だから、生きる。」(新潮社)
モーニング娘。が所属する「ハロー!プロジェクト」(以下、ハロプロ)に関する暗いニュースが相次いだ17年。5人組アイドルグループ・℃-uteの解散、8人組のこぶしファクトリーという新人アイドルグループでは、メンバーの男性との2ショット流出スキャンダルが発覚し、1年間で3人が脱退した。そうした騒動の裏には、「つんく♂がハロプロの総合プロデュースを退いたからでは?」という見方が浮上している。
詳細は後述するが、つんく♂は14年3月に喉頭がんに罹患していることを公表。同年10月には、ハロプロの総合プロデュースから退いていたことを、著書『「だから、生きる。」』(15年/新潮社)の中で告白している。その退任を促したのが、ハロプロを擁すアップフロントグループの会長、山﨑直樹氏である(同氏は滅多に表舞台に出てくることがないため、ジャニーズのジャニー喜多川氏やバーニングの周防郁雄氏ほどの知名度はないが、業界では“金にうるさいヤリ手”【1】として知られている)
実はこの動きは、ウェブメディア〈リテラ〉に掲載された記事「ハロコンからつんく♂楽曲が激減!」によって注目され、ファンはもちろん、音楽業界でも波紋を呼んだ。そこで見えてきたのが、つんく♂と山﨑会長の確執だ。記事を要約すると、昨年1月に開催されたハロプロメンバー総出演のコンサート(通称「ハロコン」)のセットリストから、つんく♂の手がけた曲が激減。その原因が、つんく♂が代表取締役を務めるアップフロントの関連企業「TNX株式会社」の音楽制作以外の業務(飲食業や化粧品販売等)による赤字経営を山﨑氏が問題視したことだという。その結果、つんく♂を総合プロデューサーから外し、ハロコンからも関連曲を減らすことで、「切り捨て」が本格化したというものだ。
果たして、先述の暗いニュースは、つんく♂が総合プロデュースから退任したことと因果関係があるのだろうか? ハロプロ関連に詳しいレコード会社勤務A氏が語る。