――ターナー賞受賞で世界から注目される英国の建築家・デザイナー集団、アセンブル。個展のため東京を訪れた設立者フランシス・エジャリーに、建築家で気鋭の論客でもある藤村龍至が話を聞いた。
(写真/宮下祐介)
50歳以下のイギリス人とイギリス在住アーティストに贈られるターナー賞を建築家・デザイナー集団アセンブルが獲ったのは、2015年の暮れ。牛をホルマリン漬けにした作品で受賞したダミアン・ハーストなどヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)を牽引し、世界のアート界に影響を与えてきたターナー賞が、駆け出しの建築家・デザイナー集団に与えられたことは、現代美術界への大きな問題提起として受け止められた。
彼らは今、英国内のさまざまな場所で社会の課題解決に取り組む。スコットランド・グラスゴーでは高いレベルの貧困と脆弱性を持つコミュニティのための遊び場「Baltic Street Adventure Playground(BSAP)」をデザインし、リバプールで継続中の「Granby Four Streets」では、かつてリバプールでもっとも人種的・民族的に多様な古い黒人コミュニティがあった場所で荒廃した住宅地の再生に挑む。