どーするどーなる夏の甲子園大会
2015年夏の甲子園を沸かせた関東第一高校のオコエ瑠偉が卒業、楽天ゴールデンイーグルス入りした。2016年の春の選抜では、昨夏のもうひとりのスター選手であった清宮幸太郎擁する早稲田実業が、秋季東京都大会を2回戦で敗退、夏の甲子園出場も厳しいのではないかといわれている。さて、今年の夏の甲子園はどうなる!?
「輝け甲子園の星 2016年5月号」(日刊スポーツ出版社)
【座談会参加者】
A:全国紙ベテラン記者
B:全国紙中堅記者
C:高校野球中堅ライター
A ここ数年、開幕1軍を実現した楽天のオコエ瑠偉のように、甲子園で活躍した選手が、高卒1年目からプロの世界で活躍している。春のセンバツは夏の選手権と共に秋のドラフトを占う場ではあるけど、今年の大会は東邦の藤嶋健人、松坂2世と呼ばれる創志学園の高田萌生といった注目右腕が早々に姿を消した。盛り上がりには欠けたよね。
B 昨年の夏は、1年生怪物として注目を集めた清宮幸太郎(早稲田実業2年)やオコエ(当時、関東一高)ら、とにかくキャラが揃っていたから、連日満員御礼。無料の外野席のファンが第1試合から第4試合まで帰らない。だから観客動員そのものは、あまり伸びなかったんです。今年のセンバツは2009年3月の甲子園リニューアル後、最多となる4万6000人を1試合で記録するなど、観客動員は良かったんだけど、スター不在の感は否めなかった。
C バックネット裏最前列の光景も様変わりしました。甲子園の8号門前に寝泊まりし、最前列の席に陣取っていた「8号門クラブ」【1】のメンバーがいなくなって、小中学生を招待するようになったのは景観的に良かった(笑)。甲子園に棲む名物おじさんの「ラガーさん」は、毎試合5回終了時点と試合終了後にラガーシャツを着替えるんです。彼は「ファンが楽しみにしてくれているから」と説明するんだけど、最近は派手なサングラスをかけて有名人気取りで、1日の試合が終わると地方からやってきた高校野球ファンと喜んで握手している。純粋に高校野球が好きなのか、ただ目立ちたいだけなのか……。