――安倍晋三首相が異例のコメントを出すまでに至った、SMAPの独立・解散騒動。“国民的アイドル”の影響力が、いかに大きいかを見せつけられた騒動だったが、独立を画策したとされるマネージャー飯島三智氏の退社、そしてメンバーによる生放送謝罪により沈静化した。だがこれは、芸能マスコミのあり方が問われた出来事だったのではないだろうか?
(絵/藤本康生)
日本中の話題をさらったSMAPの分裂・解散、事務所独立をめぐる動きは、ひとまず落ち着きを取り戻している。とはいえ一連の報道ラッシュは、ジャニーズが抱えるさまざまな裏事情を表面化させたという点でも大きな意義があったといえるだろう。特に、生放送された謝罪によって、ジャニーズ事務所内におけるメリー副社長の権勢ぶりがお茶の間に伝わったことは驚きでもあった。
その意味で今回の騒動は、いわゆる「芸能マスコミ」が、あらためて存在感を見せたともいえるだろう。世間的にいえば、騒動を最初に世に出した媒体は「日刊スポーツ」と「スポーツニッポン」の2紙となる。両紙とも1月13日付の一面トップで「ジャニーズ激震SMAP解散」(ニッカン)、「SMAP分裂」(スポニチ)と報じ、これを各メディアが追いかける形で、一気に報道合戦がスタートした。
本誌読者であれば、スポーツ紙が、ジャニーズのような大手芸能プロと日常的に“良好な関係”にあることはご存じだろう。
「大手芸能プロとスポーツ新聞は、いわば記者クラブ制のような関係です。例えば稲垣吾郎や草彅剛の逮捕のように、事件化したときなどはさすがに報じますが、扱いは慎重に配慮をしています。また『フライデー』や『週刊文春』などが恋愛ゴシップ系の話を報じても、よくてベタ扱い。それも事務所側の否定コメントは必須で、後追いも極力しない。以前、文春が報じたジャニーさんのホモセクハラ疑惑などの深刻なスキャンダルに至っては完全黙殺です。スポーツ紙はドラマや映画、イベントの制作発表など、日常的に芸能ニュースを供給してもらっており、下手に刺激すると、その後の情報をもらえなかったり、会見から締め出されかねないからです」(スポーツ紙記者)