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第1特集
“男性の視点”から進化したグラビアアイドルの水着【1】

ハイレグ、ローライズ、眼帯ビキニ……写真集の歴史から紐解くグラドルと水着の考証学

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――若者向けの男性誌で水着姿を披露するグラビアアイドル。これまで数多くのグラビアアイドルが輩出されるも、昨今では「AKB48に活躍の場を奪われた」といった話も耳にする。だが、当企画では、そんな話は置いといて写真集から読み解く、“水着の形の変遷”に注目してみたい。

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『優香グラビア』(講談社)

 グラビアアイドル(以下、グラドル)の歴史の始点をいつに置くかには諸説あるが、アイドル研究家の北川昌弘氏は「もともと純粋なグラドルは存在せず、歌手活動などをメインにするアイドルが、キャンペーンの一環で水着グラビアページに登場するのが普通だった」と語る。

「グラドルの元祖的存在といえるのは、1975年に登場したアグネス・ラムでしょうか。また、“アイドルの胸は大きくてはいけない”という既成概念を打ち破り、70年代後半に巨乳アイドルのはしりとして活躍した榊原郁恵も重要な存在です」(北川氏)

 その頃のアイドルたちの水着姿を見ると、露出は今より控えめ。特に水着のビキニパンツは“オバサンのパンツ”的な面積の大きさが目を引く。55年から水着の販売を続けるメーカー・三愛の水着事業部によると、「女性用水着も、以前はハイウエストデザインが主流でした」とのこと。

「もともと50年代までの水着はワンピースタイプが主流で、セパレートタイプが増え始めたのは60年代に入ってからでした。セパレートタイプも出始めた頃は、パンツがヘソのすぐ下くらいまである、露出が控えめなものが目立ちましたね」(同)

 そもそも一般の人が着る水着と、グラドルが着る水着には、どのような違いがあるのだろうか?

「グラドルの場合は、胸が大きい方は三角ビキニでその形の良さをアピールしたりと、身体そのものの美しさを見せることに主眼を置いているのではないでしょうか。一方で一般の方の場合は、胸の形の補正効果があるワイヤー入りのものや、バストトップを高く見せるフリル付きのものを選ばれることも多いですね」(同)

 北川氏も「グラドルの水着にとってフリルは“余計なもの”ではありますが、松本伊代など(貧相な体形で)胸が小さいアイドルは、よく着ていた印象です」と語る。肌を露出するわけでもなく、セクシーさを強調するわけでもない松本伊代の水着姿は、当時のアイドルに”清楚さ”が求められていた証左ともいえるだろう。

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