――ファッション誌全体が低調の状態が続く中で、女子小学生向けファッション誌が好調だ。この市場を牽引する3誌と、同じくローティーンファッション人気に一役買っているゲーム『アイカツ!』のコーディネート比較から、その内側を覗いてみよう。
(写真/北川泉)
■大人も安心!"子ども可愛い"児童雑誌
キラピチ
[発行元]学研パブリッシング
[発売]奇数月15日
[創刊]2012年12月[価格]700円(税込)※「ピチレモン」の妹雑誌
※発行部数/13万部(12年10月1日〜13年9月30日のデータ)
[広告ページ]約12ページ+裏表ピンナップ
[読みものページ]約90ページ
[ファッションページ]約14ページ
読みものページがファッションページの6倍以上あり、ファッション誌というよりは、少しオシャレな児童学習誌という印象。とはいえ、その読みものもグッズ・スポット紹介、自社発売の児童書の宣伝企画と、さほど充実しているわけではなく、半分はマンガに割いている。低予算で時間のない中作りました感が拭えない。ファッションのテイストは小学生らしいカジュアルで、一番安心感がある。
(写真/北川泉)
■恋愛着まわし企画も!赤文字予備軍
ニコ☆プチ
[発行元]新潮社
[発 売]隔月22日
[創 刊]2006年9月
[価 格]590円(税込)※「nicola」の妹雑誌
※発行部数/10万7300部(14年4月〜6月期)
[広告ページ]約34+3分の1ページ
[読みものページ]約57ページ
[ファッションページ]約55ページ
「女子小学生ナンバー1ファッション誌!!」と謳っているだけのことはあり、ファッション、読みものページ共に充実。予算も3誌の中で一番潤沢な印象で、見開き2ページのファッションスナップのために沖縄ロケができちゃうほどの気前の良さ。ファッションテイストは小学生らしいカジュアルから、そのまま合コンに行けそうな女子大生顔負けのキレイめスタイルまで網羅。”人からどう評価されるか”という点を重視した読みものや見出しが多く、未来の赤文字系女性を輩出するのに一役買いそうな一誌。
3誌の中で唯一、ファッションページに男子モデルが登場するのも特徴のひとつ。小学校の教室を舞台にした恋愛がらみの着まわし企画も連載中である。最新号の読み物ページでは、「"メン友(男子の友だち)"をゲットしよう!」などの特集が設けられており、今友だちになっておくべきメン友として「一緒にいるとオトクがいっぱいな"ブルジー"くん」、「おいしいものを食べたいときに呼びたい"メッシーくん"」などを紹介。末恐ろしさがある。なお、毎号表紙を飾っているメインモデルの「香音」は、タレント・野々村真の長女。