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第1特集
ジャニーズとEXILEダンススキルの軍配【1】

色白奉仕型vs色黒筋肉質!? ジャニーズとEXILEのダンス技術徹底討論!

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――歌って踊れるアイドル集団ジャニーズと、踊って歌えるパフォーマンス軍団EXILE。ここでは両者におけるダンスの違いを徹底的に分析してみたい。ジャニーズとEXILE、それぞれのダンススタイルの違い、そして技術の差とはいかなるものか。プロとして活躍するダンサーを招き、座談会形式でお届けしよう!

 歌にダンスにテレビに映画――今も昔も日本のショウビズ界を華々しく彩ってきたアイドル集団、ジャニーズ。そのほかにもw-inds.や東方神起、DA PUMPなど、歌って踊れるアイドルが世の女性たちの黄色い声援を欲しいままにしてきた。しかし、そこに抗うかのごとく、“黒いジャニーズ”としてたとえられ、あらゆるメディアを席巻していEXILEが登場。本稿では特集のテーマに則り、ジャニーズ/LDH双方の事務所に所属するアーティストのダンススキルに焦点を定め、その真価を探ってみたい。ジャニーズのバックダンサーを務めた者から、メジャーデビューを果たしスクールを営む者、元ダンサーでLDHのツアー事情をよく知る舞台関係者までを集め、両者にメスを入れる!

ジャニーズとEXILEそもそものダンスの違い

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国民的スーパースターとなったSMAPは、ダンススキル云々よりもメンバーの個性を押し出すことで、確固たるブランドが成立している稀有な存在。

[座談会参加者]
A…30代・某アーティストバックダンサー(男性)
B…30代・メジャーデビュー経験ダンサー(女性)
C…20代・ダンススクールインストラクター(男性)
D…30代・音楽業界舞台関係者 (男性)

A ジャニーズとLDHのダンスを比較するにあたって、如実に表れているのは、ジャニーズがジャズを基本としたダンススタイルであるのに対し、LDHはヒップホップダンスがベースになっている、という違いが大きいよね。

B ジャニーズはそれぞれの動きを揃え、一体感を大切にした美しいダンス。キメ顔やカメラ目線などのサービス精神が旺盛で、女の子の心をくすぐる術を心得ている。

 一方、EXILEや三代目(J Soul Brothers)などのLDH所属アーティストは、各々の個性を剥き出しにするダンスで、アシンメトリーな動きが逆に魅力的に映ってる。男らしく、ファンに対しても、「俺の動きを見ろ!」みたいなアプローチだよね。

A でも、KAT-TUNはアイドルっぽさを売りにするジャニーズの中では例外の部類のような気がする。「俺の動きを見ろ!」アピールをするスタイルが強かった、田中聖や赤西仁は、LDH側の精神に近かったのかも。脱退したのもうなずける。

B KinKi Kidsもちょっと特殊なグループだよね。(堂本)光一君は完全にジャニーズ精神だけど、(堂本)剛くんはそうじゃない。彼のダンスからはあまりジャニーズっぽさは感じられず、ソロプロジェクトやバンドをやったりもしてるし、キンキは2人だからやっていけてるけど、大所帯だったら剛君は、田中君や赤西君のように脱退してたかもね。

C 全体的に見て、ジャニーズにとってのダンスは“スキルを見せつける”というよりは、自分をさらりとアピールしつつも、ファンを魅了させる動きに感じる。その点、LDHはHIROをはじめ、ストリートダンス出身者が多いし、クラブやダンスコンテストなど、アンダーグラウンド時代から実力があるといわれてきた人が多いから、そもそも“ダンス”の位置付けが双方で異なっているよね。

A 己のためにダンスを極めたい「色黒自己陶酔型」のLDH精神か、ファンのためにダンスを魅せる「色白奉仕型」ジャニーズ精神なのか、っていう違いなのかな。

B 昔のクラブは色黒で自己陶酔の塊だったダンサーが牛耳っていたけど、最近クラブのショウタイムで踊るダンサーは、お客さんを意識した色白優男系が増えた気がする。もちろん、色黒自己陶酔型もお客さんの目は気にしているけど、実際に色白優男のような”奉仕型”のほうがメジャーアーティストのバックダンサー仕事がもらえる、って聞く。色黒筋肉質だと、どうしてもEXILEのイメージがついて回るから、協調性がないと思われて現場では使いにくい印象を受けるっぽいね。

D 昔はテレビや舞台といったメジャーで活躍するダンサーは色白、クラブのようなアングラな場所で喝采を浴びるダンサーが色黒、というイメージがあったけど、EXILEの活躍によって、今や色黒ダンサーもメジャーに進出する時代だからね。

C でも、いまだにアングラで活動するダンサーの一部には、「EXILEなんてリアルじゃねえ!」って吠えたりしてる人もいるよね。そういったメジャーとアングラの確執がダンス業界の成長を妨げている要因にもなってる。

A その確執を取り払おうとしているのがLDHなんだよね。ライブではクランプ【註:バトルをメインとした、感情をぶつけ合うダンスのジャンル】を披露したり、メジャーの舞台にアングラ特有のエッセンスを持ち込んでいる。ただ、EXILEがデビューしたとき、俺の先輩たちはめちゃくちゃディスってたなあ。「メジャーでヒップホップをやりたいとか言ってたくせに、(ZOOの)『Choo Choo TRAIN』のカバーかよ」って。今となってはオリコン1位、ライブ動員数100万人超えとか、彼らは実績も積んでるし、そんなことを言う人は少なくなったけどね。

B 「Choo Choo TRAIN」とか、一般の人にも覚えてもらいやすい振り付けを採用しているけど、実際にフルで踊ったらプロでもかなり大変なダンスだしね。

C メジャーで活動してる以上、覚えてもらいやすいように、あえてレベルを落とした振り付けも入れているけど、あくまでも一部。彼らのレベルなら、いくらでも社会現象になるような振り付けは作れるもんね。

D EXILEのダンスは男臭さがあるから同性からも支持されているけど、ジャニーズのダンスはフェミニンなものが多いから、圧倒的にファン層は女性率が高い。ダンスそのものも“かっこいい”という認識より、“美しい”っていうイメージが先行してしまうから、さっき話したような“色黒自己陶酔型”と“色白奉仕型”の明確な差が出ているよね。

LDH内にも如実な格差が露呈…加齢には勝てない!?

D ところで、最近はEXILEファミリーにも変化が起きてきているような気がする。先日『EXILE TRIBE PERFECT YEAR 2014-THE SURVIVAL』という10日間のライブがあったんだけど、日替わりでTAKAHIRO(EXILE)/THE SECOND from EXILE/二代目 J Soul Brothers/三代目 J Soul Brothers/GENERATIONS が出ていて、三代目の人気が尋常じゃなかったんだよね。観客の入りから歓声まで、ほかのグループとは比べものにならないほどで、彼らの公演だけはチケットもソールドアウトだったらしいし。中でも、最近EXILE入りしたパフォーマーの岩田剛典に対する黄色い声はハンパなかった。

A 確かに三代目は、今までのLDHの系譜とは違ったイメージのダンスをするよね。いわゆるEXILEの野郎臭漂うダンスから、ジャニーズ特有のファンサービスに則った優男要素まで贅沢に盛り込んでいる。プロのダンサーですら簡単には真似できないようなレベルの高さだね。

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