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【premium限定連載】芸能評論家・二田一比古の芸能ゴシップ今昔物語

芸能記者と一蓮托生——ASKAを逮捕した麻薬Gメンの執念と芸能人をハメるシャブ漬けの現場

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――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの"今昔物語"を語り尽くす!

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ASKA『君の知らない君の歌』

 今回、ASKAを逮捕したのは警視庁組対五課だった。暴力団など組織犯罪を担当する課の捜査員が、半年以上に渡りこまめに情報を集め逮捕に至ったという。

「大物芸能人とはいえ、これだけ大掛かりに捜査をしていた理由は、ASKAが覚醒剤を入手した背景に大掛かりな麻薬密売ルートがある可能性も秘めているから。ASKAを突破口にさらなる芸能界の麻薬汚染も暴かれるかもしれません」(社会部記者)

 通称、『麻薬Gメン』と呼ばれる警察の周囲には常に多くの情報源がある。今は外国人売人が六本木など路上で麻薬を売買する時代。買った人を捕まえても、「見知らぬ外人に路上で買った」と言われるのがオチ。麻薬の供給源まで辿りつくのは難しいと言われる。それだけにどんな小さな情報でも貴重だという。

 外人売人がいない時代はディスコやスナックなど店で売買は普通に行われていたこともあった。ディスコなどに行くと「クスリあるよ」と平気で声をかけられたものだ。ちょうどハワイの路上で声をかけられるのと同じだ。

「店が麻薬ルートの窓口になっていることも多く、"クスリが手に入る"という口コミで来店、そこで常連客になるうちに店経由でクスリを買う。マリファナくらいのシロモノだと、平気で店の中で吸う常習者もおり、マリファナパーティーをやっている店もあったほど」と旧知の麻薬Gメンから聞いた。

 昔、そんな麻薬Gメンと行動を共にしたことがある。

「情報があった」という店に客として一緒に潜入した。新宿にあったごく普通のスナック。カウンターに座り一杯に飲んだところで「この店はやっているな」と耳元で呟いた。素人の私にはわからない。理由は「匂いだ」。なんとなく甘酸っぱい匂いにしか感じなかったのだが、「お香をやたらと焚いているのが不自然。多分、マリファナ独特の匂いをお香で消しているから、奇妙な匂いになる」と話していた。

 ASKAの五億円と言われる豪邸には5つもの換気扇があったという。異常である。どんな大きな家でも換気扇は台所とお風呂場ぐらいであろう。ASKAの書斎にも設地されていたというから、「多分、覚醒剤を炙って使うことで出る異様な匂いを換気扇で出していたのだろう」(前出・記者)という。大半の麻薬は煙にすることで、日常生活ではかぐことのない匂いを発する。

「昔は競合店を潰すために近所の店が "あの店はクスリの取引をしています"といった話を提供することもあった。特に流行っている店だと嫉妬から変な情報を入れてくるものだよ。でも、どんな情報でもこまめにツブして歩くのが仕事。大半はガセでも時には大物が引っかかることもあるからね。芸能ニュースのネタ元を潰して歩くのと同じだよ」(麻薬Gメン)と言われたことを覚えている。

 また、こんな手口もあるという。売人の女をホステスとして店に送り込むやり方だ。

「念ごろの仲になった上客をクスリ漬けにすることもあれば、経営者に近づきクスリを覚えさせ、後に警察に密告する。必然的に店は潰れる」(同)

 事実、元アイドルで何度となく覚醒剤で捕まったTが最初に覚醒剤に手を出したのも同じ手口だった。一時、芸能界を辞め、ミニクラブを経営。店は大流行りだった頃、雇ったホステスが覚醒剤で近づき、瞬く間にヤクとセックスに溺れ、店は潰れたという。

 今はお店が取引先ということはほとんどない。ネットなども多用して入手する。そして使用する場所も自宅などに限られている。

「結局、自室でやることが多くなるが、一人より二人となりヤク仲間を作ることになる。それが男と女だったらセックスという最高の快楽を共有することができる」(同)とエスカレートする。覚醒剤セックスの味を覚えたらなかなか抜け出せない。結果、どんどん深みにハマるという蟻地獄。北野武がイベント会場で話したコメントは実に的を得ていた。

「意識と言うか、頭が直接欲しがるもの。だから、クスリがない場所に行くとかいう状況にならないと(やめるのは)無理」

 付け加えれば、性の対象になるような女がいない場所に行く必要もある。クスリがあれば女を求め、女がいればクスリを求める悪循環。両方ともない場所に行けば、完璧に止められると思うが……。

ふただ・かずひこ
芸能ジャーナリスト。テレビなどでコメンテーターとして活躍するかたわら、安室奈美恵の母顔が娘・奈美恵の生い立ちを綴った「約束」(扶桑社刊)、赤塚不二夫氏の単行本の出版プロデュースなども手がける。青山学院大学法学部卒業後、男性週刊誌を経て、女性誌「微笑」(祥伝社/廃刊)、写真誌「Emma」(文藝春秋/廃刊)の専属スタッフを経て、フリーとして独立。週刊誌やスポーツ新聞などで幅広く活躍する。現在は『おはようコールABC』(朝日放送)、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)などにコメンテーターとして出演。


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