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佐々木俊尚の「ITインサイド・レポート」 第68回

スマホ連携で進化速度を上げるカーナビ 自動運転とも異なるクルマの未来とは?

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進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!

 ここ最近のクルマのテクノロジーの進化といえば、グーグルも参画を発表している自動運転システムの話が中心になっている。しかし実は今、クルマの定番オプションであるカーナビがすごい速度で進化を遂げているのだ。またしてもアップルが鍵を握るこの分野に、今回はややマニアックに焦点を当ててみたい。

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『図解でウンチク カーナビの謎を解く』(シーアンドアール研究所)

 カーナビとスマホの連携が、急速に進展しようとしている。

 そもそも従来の車載カーナビはたいへん高価なうえに、地図データやアプリを更新するのにハードディスクを取り外す必要があるなど、使い勝手が良いとはいえなかった。そういう中でPNDと呼ばれる小型の携帯型カーナビ機器も普及してきているのだが、携帯型ならスマホでも十分なのでは? という方向に向かっていくのは当然の流れだ。これに、クルマに通信機能を加えていくテレマティクスの方向性が加わり、カーナビとスマホを連携させることで、より高度な機能を実現しようという動きが活発になってきている。

 アップルは2013年、iPhoneやiPadのOSであるiOSを自動車に搭載するという「iOS in the Car」を発表しており、米国で昨年末に発売されたホンダの新しいシビックには、早くもこのシステムが搭載されている。これはどのようなものなのだろうか。

 2014年型の新シビックには、スマホとクルマを接続させる新しいデジタルオーディオインタフェイスが実装されている。ダッシュボードには7インチのタッチスクリーン画面が装備され、ここからスマホ風のアプリが起動する。

 このアプリには、インターネットのラジオ的なサービスで人気のあるPandoraが使えるオーディオアプリ、電話帳、写真や動画などのメディア、カーナビが用意されており、iPhoneと連携してコンテンツやデータを引っ張る形になるようだ。またiPhoneとBluetooth接続されているので、ダッシュボードのタッチスクリーン画面の側で電話を着信したり、テキストメッセージを送ったりもできる。

 さらにこのアプリでは、iOS6から加えられている新機能Siri Eyes Freeも利用できるようになる。音声認識のSiriを使ってiPhoneを操作でき、例えばハンドルに設置されたSiriボタンを押しながら音声でコマンドを言うと、ハンズフリーでの通話や、音楽ライブラリから楽曲を選んで再生、音声入力で作成したメールの送信や受信メールの確認、予定表の確認・追加などができるという。

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