巨額の総工費をかけて建立された創価学会の新本部。信濃町にはこうした施設が乱立している。
今春には8%、来年10月には10%と、2段階での引き上げが予定されている消費税。この増税に際して、「軽減税率」の導入に対する活発な議論が、与野党で行われている。
自民党税制調査会では、「事務負担の増加」や「安定財源の確保」などを理由に、軽減税率導入に対しては慎重な姿勢を見せている一方、連立を組む公明党では、10%へと引き上げが予定されている来年10月までに、外食や酒類を除く食料品全般や新聞・書籍を対象とした軽減税率を導入することを強く主張。軽減税率の導入を2012年総選挙のマニフェストにも掲げていた公明党・山口那津男党首は、昨年8月の講演会で「消費税増税の決断をいつするのか、今でしょ」と、流行語を交えながら消費増税の必要性を軽妙に述べている。
軽減税率
特定品目に限って、税金の率を軽減させる制度。低所得者の相対的な負担割合を緩和する効果がある一方で、どれを対象品目とするか、線引きが難しいという課題もある。自民、公明両党は昨年12月10日、平成26年度の税制改正大綱に導入を明記するとともに、26年中に対象品目などを決める方向で大筋合意している。
すべての消費に対して、一定の課税を行う消費税は、低所得者にとって大きな負担となるため、食料品や日用品などの生活必需品に対して例外的に低い課税額を適用することによって、低所得者を保護することが軽減税率の狙いだ。元来、消費税に対しては、消費者寄りの政策を打ち出す傾向にある公明党らしい主張といえばそれまでだが、これらの導入を強く主張する背景には「低所得者保護以外にも理由があるのでは?」と、見る向きもあるようだ。
というのも、山口党首は、軽減税率の適用範囲として「新聞や書籍の果たす民主主義の基礎的インフラとしての価値、これを軽減税率の対象として十分に議論する価値がある」と記者会見で述べており、安倍晋三首相にも直談判をしている。これが、公明党の支持基盤・創価学会に対する「配慮」ではないかと考えられているのだ。