――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの“今昔物語”を語り尽くす!
『あまちゃん』(NHK)、『半沢直樹』(TBS)と話題のドラマが生まれた2013年を締めくくったのは、平均視聴率23%を出した『ドクターX』(テレビ朝日)だった。主演の米倉涼子は、「これでトップ女優の座を不動のものにした」とは業界内の評価。さらにゴシップネタでもトリを務めた。
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「フライデー」(講談社)が米倉と年下男性との熱愛を捕えたのは13年の暮れ。相手はリクルートの元社員でフリーの編集者。8月に女性誌が報じた男性と同一人物で、米倉の愛車に同乗し買い物をして米倉の自宅に御帰還という典型的な熱愛パターン。元芸能プロ社長がこう話す。
「女優はドラマや映画が終わった後、解放感からそれまでセーブしていた遊びや買い物に方向転換する。それは女優としてまともな行動ですが、男は違う。役者でも歌手でも逆に忙しいときのほうが遊ぶ傾向にある。特に女性関係は顕著。繁忙期こそ、性的な部分で欲求不満を解消する。女は我慢が効き、男は我慢ができない性的な構造が違うのだろうけど、これは芸能界において定説とされている」
実際、旧知の男性タレントからよくこんな話を聞いた。
「忙しいときは、寝る時間を惜しんでも女に会いたいもの(笑)。逆に暇なときは遊ぶ気持ちも萎える。不思議なもので、忙しい時ほど出会いも多く、モテてしまう。暇な時はまったく逆だけど、まあ、女と会うといってももっぱらエッチが目的だけどね。それが翌日の活力になる」
ドラマが終わった直後の解放的な時間を過ごす米倉は絶好の狙い目だったのだろうが、収入の格差は歴然な一般人が米倉の相手とは意外な気もする。そんな米倉の男性遍歴は、モデル時代にまで遡る。
名前が売れ始めた頃、米倉は横浜の青年実業家と付き合っていたといわれるが、はっきりした実態は見えないままだった。筆者の記憶によると、最初に公然となったのは、当時、鹿島アントラーズ所属だったイケメンサッカー選手・中田浩二選手だろう。
「ちようど、米倉が女優としても売れ始めた頃で、美男美女のカップルとして注目されましたが、恋は仕事にマイナスになるとの判断で米倉のほうから関係を切ったといわれています」(女性誌編集者)
公私に渡って米倉が存在感を増すようになったのが、NHK大河出演で共演した市川海老蔵との熱愛だった。人目もはばからず逢瀬を重ね、南の島への婚前旅行も発覚した。
「2人は結婚へ向け一直線。歌舞伎界の名門の御曹司に嫁げば、米倉は玉の輿ともてはやされました。ところが、突然の破局。お互い結婚するタイミングではなかったというだけで、はっきりした原因はわからないままでした」(前出・編集者)
しかし、別れても復縁説は根強かった。2人の意思よりも贔屓筋など周囲の意見が重要視される歌舞伎界。2人の復縁も例外ではなかったという。
「米倉は市川家の嫁にふさわしくない」という意見が大半を占めていた。なんとか結婚を成就させたいと2人の相談役になったのが中村勘三郎(故人)だった。時には勘三郎と米倉が2人で飲むところを目撃され「不倫報道」と誤解されたこともあったが、結局は勘三郎の力をしても名門の壁を超すことはできなかった。別れた後も海老蔵と父・団十郎のパリ公演を米倉は母親と一緒に観劇しているように、海老蔵と米倉の2人は、憎しみのない大人の別れを選択したとの見方がある。
その後の米倉は元「男闘呼組」の岡本健一と熱愛が報じられたが、やがて破局。そして今回の編集者と、海老蔵以後、徐々に男の格が下がっていることは特筆だろう。「女優として上り坂の恋は、相手が大事になる」とテレビ関係者はこう話す。
「芸能界を紐解けば、『その相手ではイメージダウンになる』と所属芸能プロによりわかれさせられたケースも少なくない。発展途中の女優だったら確実に格上の男。そういった意味で、米倉の海老蔵は正解だった。実際、2人の交際を好意的に捉える向きも多く、格上の海老蔵との恋は米倉のイメージアップにつながった。結婚こそできなかったものの、結果的にその後の米倉は女優として一皮むけたように順調そのもの。決して特別に演技がうまいわけではないが、雰囲気ですべてをカバーできている。『松本清張シリーズ』の悪女役に『ドクターX』の女医役と、米倉は自ら醸し出す雰囲気で役にハマり、高視聴率をもたらした。同じモデル出身の藤原紀香は対照的(苦笑)。格差婚と揶揄された芸人の陣内智則と結婚したのをきっかけに女優としても下降、今は政治の世界にまで顔を出し、周囲もドン引き」
トップ女優の座を確保した米倉。今さら海老蔵クラスの相手を望む必要はないという。
「さらに上の女優を目指すなら男は芸の肥しにするくらいがいい。太地喜和子のように勘三郎、三国連太郎と恋をして女優として成長したように、米倉もすでに恋を肥しにできるくらいになっている。女優として輝き続けたいなら、相手を変えようと常に恋を続けるほうがいい。恋をしていない女優はつまらなくなる」(演劇関係者)
恋愛は女優生命をも左右すると言われる世界。恋も「私、失敗しないので」となるだろうか。
ふただ・かずひこ
芸能ジャーナリスト。テレビなどでコメンテーターとして活躍するかたわら、安室奈美恵の母顔が娘・奈美恵の生い立ちを綴った「約束」(扶桑社刊)、赤塚不二夫氏の単行本の出版プロデュースなども手がける。青山学院大学法学部卒業後、男性週刊誌を経て、女性誌「微笑」(祥伝社/廃刊)、写真誌「Emma」(文藝春秋/廃刊)の専属スタッフを経て、フリーとして独立。週刊誌やスポーツ新聞などで幅広く活躍する。現在は『おはようコールABC』(朝日放送)、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)などにコメンテーターとして出演