――日本同様、いや、日本以上に芸能人の整形が話題になる韓国。人口あたりの整形件数は世界第一位となっており、整形大国としても知られている。そんな韓国の整形事情、そして倫理観はどのようにとらえられているのだろうか? 報道を検証しながらリポートしてみたい──。
今年7月、韓国メディアに登場した、ある見出しが話題となった。「韓国女性の5人中1人が手術台に。大韓民国は"整形共和国"」──。
韓国のサイト「イルガンスポーツ」では、整形疑惑が噴出するたび、テレビ番組で釈明を行う少女時代を取り上げている。
記事の内容は、英国の経済週刊誌「エコノミスト」が国際整形医学会の報告書を引用し、2011年の人口対比の整形手術回数において、韓国が世界第1位だったというものだ。同医学会は各国の公式データと整形外科の専門医から提出された資料をまとめて報告書を作成しているため、信ぴょう性の高い数字であるのは間違いない。記事によると2011年の韓国において、人口1000人当たり、13人、すなわち77人中1人が整形手術を受けている計算になる。さらに同記事によれば、ソウルなどの都市部の女性は5人に1人が整形手術を受けているとのデータもあり、一番人気はまぶたを二重にすることだという。
実際、若者向けファッションやコスメショップも多いソウルの江南エリアには、整形外科が集中している。また、整形外科医は800人ほどがここで営業していると言われており、江南に向かうバスの広告には整形外科の広告が目に入らないことはなく、地下鉄の出入り口でもそれらの宣伝広告を見ることができる。こうした日常の中に溶け込んでいるのを見るだけでも、現在の韓国人女性にとって整形はそれほど抵抗のないものに映っていると思われる。
だが、整形に対する考え方は多様だ。一般人の整形に対する意識はどうなのだろうか?
韓国最大手のポータルサイト『NAVER』の「知識IN」(Yahoo! JAPANの「知恵袋」にあたる)の整形に関する意識調査をまとめた結果を見てみると、賛成派の意見は、整形は
【1】コンプレックスをなくし、堂々と社会生活を送るための目的として必要
【2】元々、整形は美容の一部分で、誰でもきれいになる権利がある
との主張が目立つ。
一方の反対意見は、
【1】親からもらった大切な身体に傷をつけるのは間違ったもの
【2】整形中毒に陥る人が多い
【3】副作用の心配
【4】外見が商業化されている
というものだ。こうした賛否には日本にも似た部分があるだろうが、韓国が整形大国であるとされる理由は、2つある。