──ジャニーズ事務所の会計報告は一般に公表されておらず、同社の収益は謎に包まれている。だが、この不況下であれだけ売れている同社の資産がどうなっているのかは、ファンならずとも知りたいところではないか? ここでは、CDやアルバムの売り上げ、ファンクラブの会員数、CMやテレビ番組への出演など、可能な限り数字を集め、ジャニーズ事務所の金回りを、ざっくりと検証してみた。
ファンの館であるファミクラには、ジャニタレの直筆サインが……。ファン垂涎!
べールに包まれ続けるジャニーズ事務所の全容だが、中でもお金の流れについての秘密主義は徹底している。
「ジャニーズ事務所はお金に関しても神経質で、ある民間信用調査会社がジャニーズ事務所の財務・信用情報について調査を行おうとしたものの、同事務所から拒否された。こうした調査を拒否するのは、有名企業では異例なこと。それどころか、過去に行った調査データも削除要請してきたほど」(全国紙記者)
一説には「ギャラ関係の収入は『300~400億円規模』、系列会社の売り上げを足すとジャニーズ事務所全体で600~700億円規模」という週刊誌記事も飛び出してきたが、実際のところどうなのか。独自調査を元にした数字と複数の専門家の分析を元に「勝手に会計報告」を試みた。
今回、算出したのは、テレビ・CMなどの出演料(テレビ収入)、CD・DVDなどのソフト売り上げ(音楽収入)、ファンクラブ会費とコンサートの収入とその関連のグッズ売り上げ(ファンクラブ・グッズ収入)だ。
「ジャニーズは、これまでのタレントの実績や強いつながりを盾に、テレビなどのメディアに、強引とも言えるほどにタレントを露出させて、ファンを作り出す戦略を取っている。CDが売れて、ファンがコンサートに殺到するような人気者になって、それを見たテレビや広告代理店側も『ぜひ出てください』と、レギュラー番組やCMを持ち込んでくる。この音楽収入とテレビ収入で稼いでいます」(芸能プロダクションの経営に詳しい税理士)
また、こんな話も。
「さらに、表立っては目立ちませんが、ファンクラブとコンサートは収益の柱。そもそもジャニーズ事務所は若いファンも気軽にコンサートに行けるようにという理由やお試し期間ということもあって、若いグループのチケットは、比較的安く価格設定されています(Jrレベルでは6800円)。しかし、人気が出て、ファンもお金に余裕が出るSMAPや嵐レベルでは8000円になります。それでもファンはそうして人気が上がるとコンサートのチケットが入手困難になるので、優先的にチケット販売が行われるファンクラブに年間4000円の会費を払って加入する。
ファンらはファンクラブを通じてチケットを買い、コンサートに行き、そこで大量にグッズを購入する。この一連の流れのすべてに、莫大な利益を生み出すポイントがあるのです。12年現在、ジャニーズ事務所ではそれぞれのタレントごとにファンクラブがありますが、ファンクラブにいったん入れば、その多くはやめることもなく、タレントが年齢を経ていくのに合わせて、ファンも大人になっていきます。ですから、現在、ファンクラブの人数がどれくらいいるかで、将来的にそのタレントがどれだけの利益を生み出すかがわかる、ひとつの指標になるでしょう」(中小企業診断士)