──IT業界の超有名企業のうち、今回はアップル、グーグル、ヤフー、楽天、グリーという、最近大きな動きを起こした5社をピックアップ。IT業界に精通した賢人たちが辛口でジャッジメント!
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
ウェブメディア編集者。博報堂から「テレビブロス」編集者を経て、その後フリーに。06年から現職になり、現在はネットを使ったPRに関するプランニングも行う。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)ほか。西田宗千佳(にしだ・むねちか)
フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など、「電気かデータが流れるもの全般」。近著に『ソニーとアップル 2大ブランドの次なるステージ』(朝日新聞出版)がある。増田真樹(ますだ・まさき)
ウェブメディア「TechWave」副編集長。90年よりネットメディアクリエイターとして活動開始し、執筆活動や講演、ベンチャー企業のコンサルティングなどを手がける。シリコンバレーのIT事情に精通している。※評価は5つ星満点です。
まるで本社の伝令、日本支社では働き甲斐ナシ
(絵/magma-giants)
■アップル
[設立]1976年
[従業員数]6万4000人
[代表]ティム・クック
日本法人はアップルジャパン合同会社で、現在の代表社員はアメリカ本社のヴァイスプレジデントを兼任するダグラス・ベック。オフィスは渋谷区初台・東京オペラシティタワーで、従業員数は1000人(11年9月時点)。iPhone5発売に伴って日本のスマホ関係者たちは上を下への大騒ぎだが、鍵を握る当のアップルの内部はどうなのか?
中川
【★☆☆☆☆】
外資系はどこも同じだけど、すぐに「アメリカの本社が……」なんて言ってきて仕事が全然進まない。日本という国はマーケットも国民性も特殊だから、そこで「日本とアメリカは違います」とハッキリ言える外資の会社もあるんだろうけど、まぁアップルは無理だろうね。いろんな場面で「それは世界基準に合ってません」とか言ってくるはず。それと細かい話、本国との時差のせいで変な時間に働かされる場合もあるでしょ。
西田
【★★☆☆☆】
日本法人に雇用されるのか、本社なのかで大きく違いますが、日本法人の場合は与えられる裁量がものすごく狭いので、エンジニアとして働いてもやり甲斐は感じられないでしょう。マーケッターであっても決定権は本部にあり、どんなに独自性を出して仕事をしようとしてもうまくいくことは少なく、窮屈さは感じると思います。一方、狭き門ではありますが本社で働く日本人も何名かいます。こちらの待遇の良さは段違いです。
増田
【★☆☆☆☆】
日本法人の場合は基本的にクリエイティブな仕事ではないし、守秘義務も含めた罰則など、それほど働きやすいとは言えません。マーケティングをして、どう社会に出すかを考えている側面はあり、単純に請負ともいえないのですが、少なくとも本社から知らないうちに出てきたものを売るという特殊な仕事であることは確か。それに、日本のアップルで学んだからといって、ほかのIT企業への転職に活かせるとは限らないです。