──バレーボールワールドカップの放映のみならず、いまや、スポーツの祭典に欠かせなくなったジャニーズの存在。今回のロンドン五輪でいえば、民放、NHK6局のうち、実に3局が公式キャスターとしてジャニーズのタレントを起用している。「キャスターとしては可もなく不可もなく、現地の取材陣の邪魔はしない」という評価(?)もあるが、彼らの起用の裏には、やはりというべきテレビ局の思惑があった──。
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五輪開幕を前に、各テレビ局で特番キャスターの陣容がほぼ出揃った。もっとも「スポーツ中継のバラエティ化」という民放の悪癖は相変わらずで、今回もどこかで見たような顔触れとなっている。
いち早く中継体制を発表した日テレは嵐の櫻井翔、フジはTOKIOの国分太一といずれもジャニーズがメインキャスターに決定。櫻井は日テレのニュース番組『NEWS ZERO』のキャスターを務めており、北京・バンクーバーに続く3大会連続の起用。国分もフジの看板スポーツ番組『すぽると!』に出演中で、ある意味順当といえる人選だ。
テレビ朝日も5大会連続での起用となる松岡修造が決定しているが、気になるのはテーマソングも担当する福山雅治。スペシャルゲストとしてロンドン入りもするようだが、趣味のカメラが高じて、カメラマン然として堂々と現地入りしたシドニー五輪では、本物の取材陣から大ブーイングを受けた“前科”もあるだけに、その動向が注目されるところだ。
唯一、賭けに出たのがテレビ東京。メインが俳優の佐藤隆太、リポーターに元プロゴルファーの古閑美保というコンビは他局も首をかしげるキャスティングだ。
「佐藤の起用ですが、どうやら島田昌幸社長の鶴の一声で決まったようです。ウチはもともと予算が少ないためビッグネームはハナから無理。そこに、爽やかなイメージと知名度もそこそこ、ギャラも安めという佐藤が浮上した。仕切りは経験豊富な局アナの大橋未歩に任せればいいという考えです」(テレビ東京関係者)