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連載
神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第63回

東京電力は法で裁かれるのか?原発訴訟に見る司法の責任【前編】

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ビデオジャーナリストと社会学者が紡ぐ、ネットの新境地

今月のゲスト
海渡雄一[弁護士]・井戸謙一[弁護士]

──東日本大震災に伴い発生した福島第一原発事故を受け、東京電力の動向に注目が集まっている。1月12日には、原発停止や廃炉に向けた費用負担が東電の経営を圧迫することから、政府は公的資金注入による実質的な国有化の検討に入ったと報じられた。こうした動きに対し、「やむを得ない」という論調が多く見られたが、東電に対する責任追及の声は多い。だが、これまでも地域住民らが安全性を問題視し、司法に問うた"原発訴訟"については問題点も山積みだという―。

神保 今回は、長く原発関連の訴訟にかかわってこられた弁護士の海渡雄一さん、同じく弁護士で元裁判官の井戸謙一さんをゲストに迎え、原発問題における司法、とりわけ裁判所の責任について議論していきます。

宮台 原発の問題に限らず、日本の司法が三権分立という意味で本当に独立しているのかどうかが疑われ続けてきました。日本は起訴有罪率が99・9%で、事実上検察が有罪/無罪を決めています。そもそも最高裁の判事が処理する事件の数から考えて、とてもじゃないがすべてを処理できず、実務の大半が事務局に丸投げの状態にあります。

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