──国家とは、権力とは、そして暴力とはなんなのか……気鋭の哲学者・萱野稔人が、知的実践の手法を用いて、世の中の出来事を解説する──。
第17回テーマ「他国での死刑と文化相対主義」
[今月の副読本]
『オリエンタリズム』(上)
エドワード・W・サイード著/平凡社ライブラリー(93年)/1631円
スタンフォード大学の特別研究員だったサイードによる、東洋への理解を多角的に捉えた著作。西洋人の独断的解釈で語られる「オリエンタリズム」の概念から脱却し、新しい価値観で中東を論じたことでも知られる。