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連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第15回

女性を交換するために作られた近親相姦というタブー

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──国家とは、権力とは、そして暴力とはなんなのか……気鋭の哲学者・萱野稔人が、知的実践の手法を用いて、世の中の出来事を解説する──。

第15回テーマ「近親相姦の禁忌が生む社会関係」

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[今月の副読本]
『暴力はどこからきたか 人間性の起源を探る』
山極寿一著/NHKブックス(07年)/1019円

6500万年前に誕生したという霊長類。その中で我々人類は、霊長類の進化として、争いの原因、和解の方法を身に付けてきた。哺乳類とは明らかに異なる霊長類の行動から、人類の社会性起源に迫る意欲作。


 これまで2回にわたって「人を殺してはいけない」という道徳と死刑との関係について考えてきました。「人を殺してはいけない」という道徳はあらゆる社会に見いだされる普遍的な道徳ですが、もしこれと同じくらい普遍的な道徳がほかにもあるとしたら、それは何だと皆さんなら答えるでしょうか。

 2008年4月9日の朝日新聞(web版)にはこんな記事がありました。少し引用しましょう。

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