――漁船や新幹線でのわだかまりも、彼女たちの美貌と演技力で帳消しに……!?
スキャンダルもご愛敬な"中国の松田聖子"
中国好きになる女優3選【1】──リュウ・シャオチン (劉暁慶)
『西太后』 1984年に公開された中国映画。19世紀半ばの中国を舞台に、若き日の西太后を描いたものであるが、西太后の悪女ぶりを過剰に強調しており、史実と異なる残虐シーンが描かれている。映画では西太后がライバルの麗妃の手足を切り落として甕の中で飼うという、衝撃的なシーンも描かれた。(写真/公益財団法人川喜多記念映画文化財団)
■政界進出、脱税も経験
日本の巡視船に漁船を衝突させたり、日本の技術をパクッて新幹線を作った上に特許を申請するなど、次々と報じられる中国の暴挙を受け、「中国人って……」となんとなく苦手意識を抱いている方も多いはず。その反面、在日中国人の数は増加の一途を辿っており、今の日本で中国人と交流を持たずに生活していくのは不可能に近い。それなら、もっと中国の良い点に目を向け、より円満な関係が築けるように心がけたほうがいいのではないだろうか──。
「では、代表的な中国人女優を通じて、中国文化の魅力を知ることを足がかりにされてみてはいかがでしょう?」とご提案いただいたのは、在日中国人の映画研究者であるリュウ・ブンペイ氏。まずひとり目は?
「リュウ・シャオチンさんです。中国では1966年から76年の10年間にかけて、文化大革命と呼ばれる混乱の世が続き、それによって映画産業も完全に荒廃してしまったんですが、彼女はそこから這い上がり、一時代を築いた大女優。日本でも『西太后』や『芙蓉鎮』といった代表作で、多くの方々に知られていると思います。彼女がスクリーンで活躍した80年代は、まさに中国映画の黄金期だったんですが、80年代末から大衆文化の主流は映画からテレビドラマへとシフトしていきました。それに伴い、彼女もテレビ業界へと進出し、プロデューサーとなって多くのドラマを手がけたんですよ。ほかにも不動産業や化粧品販売に手を出したり、近年は脱税スキャンダルで騒がれるなど、とにかく話題に事欠かない。 "中国の松田聖子"と言ってもいいかもしれませんね」(同)