──震災復興のめどがなかなか立たない中で、山口組の迅速な復興支援が報道されるなど、実話誌などでは"復興ビジネス"に注目が集まった。暴対法の締めつけにより、なりふり構わないシノギに走る昨今の暴力団が狙う、復興ビジネスとは?
東日本大震災直後の荒廃した土地に、突如として立てられた謎の看板。区画整理もままならない現地では、こうした不法占拠が、時として認められてしまうこともあるとか……。
東日本大震災の発生から5カ月たち、いよいよ本格的な復興が始まろうとしている。そんな中、巨額の資金が動く復興計画に食い込んで甘い汁を吸おうと動きを見せているのが、「裏社会」の住民たちだ。総計で20兆円を超えるといわれる復興予算は、2008年に暴力団対策法(以下、暴対法)が改正されて以降、シノギが厳しくなっている暴力団にとって渡りに船。今後、被災地でどのような「復興利権」が発生し、裏社会の住民たちはどのように関与していくのだろうか?
被災地では震災発生直後から、暴力団関係者の動きが確認されている。阪神・淡路大震災の際には、山口組が炊き出しなどを行ったことで話題になったが、今回も山口組のほか、住吉会や稲川会などの組織が、早い時期に被災者支援のため現地入りしたとの情報もある。これらの動きは一部メディアにより美談として伝えられたが、当然、裏社会ならではの「狙い」があると指摘する声は多い。