サイゾーpremium  > 連載  > 学者・萱野稔人の"超"哲学入門  > 石油エネルギー依存からの脱却で、アメリカ...

──国家とは、権力とは、そして暴力とはなんなのか……気鋭の哲学者・萱野稔人が、知的実践の手法を用いて、世の中の出来事を解説する──。

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第12回テーマ「アメリカ・ヘゲモニーと資本主義」

今月の副読本
『長い20世紀──資本、権力、そして現代の系譜』
「アメリカ・ヘゲモニーと資本主義」ジョヴァンニ・アリギ著/作品社(09年)/5460円

「アメリカが覇権を握る経済システムの始めと終わり」20世紀をこう表した世界システム論の代表論者による分析論。アメリカ・ヘゲモニーが終焉を迎える今、新たな覇権は誰が握るのか、その視座を探る──。


 前回は、日本の電力供給システムの問題点についてお話ししました。その中で見直されるべき点として取り上げたのは、垂直統合型といわれる電力供給の仕組みです。つまり、電力会社が発電と送電を一括して担うという仕組みですね。発電という生産の部分と、送電という流通の部分をひとつの会社が「垂直」に「統合」して電力を供給するので、「垂直統合型」と呼ばれます。

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