生ぬるい番組を垂れ流し続けるテレビ業界に対し、ナンシー関亡き後、鋭い洞察力と毒舌でもってテレビを監視し続ける、辛口コラムニストの小田嶋隆氏。画面をクールに見据える小田嶋氏が、大物司会者とテレビ番組との堕落した関係を斬る!
小田嶋隆氏。
──「読売ウイークリー」(読売新聞)誌でテレビ時評「ワイドシャッター」を連載されていますが、テレビウォッチャーの立場として、画面からテレビ業界のダメさ加減が顕著に感じられるのはどのようなところでしょうか?
小田嶋 CMスポットを出稿しているスポンサー企業が、どんどんスケールダウンしているということですね。番宣スポットも多い。これも自社番組を熱心に宣伝しているわけではなく、売れ残ったスポット枠を埋めている感が強い。今の視聴者はマジメにテレビを見ていないし、CMに入るとすぐにリモコンでザッピングするのが当たり前。テレビにCM出稿することが有効かどうか、一流企業も疑問を感じているわけです。だから新しく参入しているのは、パチンコ屋にサラ金や怪しい健康食品。『水戸黄門』(TBS)などの時代劇の再放送を見ていると、ヒドいもんですよ。60歳から入れる保険に尿漏れパンツ、入れ歯安定剤、墓地、年齢化粧品、ヅラ......。CMを見ているだけで、気分がめいってきます(苦笑)。