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連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第10回

東電の情報公開はネットの勝利なのか? 政治の本質を無視した集合知の幻想を暴く!!

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国家とは、権力とは、そして暴力とはなんなのか......気鋭の哲学者・萱野稔人が、知的実践の手法を用いて、世の中の出来事を解説する──。

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第10回テーマ「ネット上の集合知は権力に勝るのか?」

今月の副読本
『社会契約論』

ルソー著/岩波文庫(54年)/720円

フランス革命の原動力になったとも言われる、ジャン=ジャック・ルソーの代表作。一般意思を説きながらも、政治の本質を強調し、肯定する同書の思想は、現代までにつながる民主主義に多大な影響を与えた。


 前回は、インターネットを通じた情報の暴露や漏洩が、政治にどのような影響をもたらすのかを考えました。ウィキリークスのような暴露サイトまで存在するようになったことで、各国の政府は今後、情報の公開を前提として行動せざるを得なくなります。たとえ特定の情報を機密にするにしても、政府はなぜその情報が機密扱いとなったのかを潜在的には説明する責任を負わなくてはならなくなりました。機密情報もまた、常に暴露や漏洩によって公開される可能性にさらされているからです。

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