若手専門家による、半熟社会をアップデートする戦略提言
■今回の提言
「個人化された労働者が会社と交渉できるシステムを作れ!」
ゲスト/坂倉昇平[NPO法人POSSE理事]川村遼平[NPO法人POSSE事務局長]
──今回のゲストは、若年層の労働問題の解決・支援に取り組むNPO法人・POSSEの理事・坂倉昇平氏と、同事務局長の川村遼平氏。若者の労働をめぐる状況は悪化の一途をたどっているように見える。この状況を脱するために奮闘するお2人に話を聞いた。
荻上 今回は、若者の労働問題に取り組まれているNPO法人POSSEから、事務局長の川村遼平さんと、広報ミニコミ「POSSE」編集長の坂倉昇平さんをお招きしました。
大きな雇用情勢の流れを見るに、リーマンショックで底をついて以降、世界的には緩やかな回復傾向にある中で、日本は一進一退を繰り返しながらも、なかなか長期不況を脱しきれていない状況です。直近では、全世代的に多少の雇用改善が見られたものの、15~24歳の完全失業率はむしろ上昇、季節調整後の数値は11.1%にも達しています。これはかつて就職氷河期といわれた十数年前よりもさらに悪い。卒業年度の景気は生涯賃金にまで影響を与えるため、これからさらに「失われた世代」が生まれ続けてしまうということです。こうした現状がある中で、まずはPOSSEの活動を立ち上げられた経緯と、問題への取り組みのスタンスをお聞かせ願えますか?