さまざまな"裏社会"を見てきたアウトローな4人──内田裕也、沖山秀子、瓜田純士、岩橋健一郎──の生き様を紹介すべく、本誌「念力事報」でもおなじみの写真家・江森康之氏が、カメラを通し、彼らの"真の顔"に迫った。
「裏社会」。その言葉からは、一般に「ヤクザ」「ドラッグ」「ギャンブル」など、日本社会では"悪"とされるものが連想されるのではないだろうか。しかし、そうした世界から足を洗い、いわゆる「表社会」に身を置き換えた人たちは、世の中の暗い部分も、生死の狭間も、そして人との強固なつながりも経験してきた分、非常にまっすぐな、純粋な人が多いように思われる。
↑画像をクリックすると拡大します。(写真/江森康之)
「今回写真を出させてもらった4人の人たちは、共通して、みんな底抜けに優しいんですよ。強い芯の中に、すごく純粋なものを持っている人たち。だからこそ、カメラを向けた瞬間、みんなすぐにそその世界観に入り込むし、すごく強い目をしてるんだと思う」(写真家・江森康之氏)
本企画で取り上げたのは4人。家族を顧みず、自分の思う「ロックンロール」を貫き通す内田裕也。刑務所を出所し、格闘家にVシネ俳優、エッセイストとさまざまな活動を行う瓜田純士。個性派女優として故・黒澤明監督にも評価され、ジャズシンガーとして活躍した沖山秀子。そして、20年間暴走族を追い続けているジャーナリストの岩橋健一郎だ。
09年に出版された著書『内田裕也 俺は最低な奴さ』(白夜書房)では、60代最後のヌードを堂々と披露し、09・10年には事業仕分けにも「ロック代表」として乗り込むなど、数々の逸話を残し続ける内田氏。今なおロックンローラーとして、己の道を突き進んでいる。今回、取材を進めていた11年1月は、ハワイに滞在中だったため直接話を聞くことはできなかったが、撮影をした江森氏は言う。