──年を追うごとに厳しくなってきた、警察による暴力団への締め付け。中でも日本最大の暴力団・山口組に対しては、ほかの組織に比べ厳格な処分を下しているという。山口組壊滅を掲げる警察の思惑は、どこまで実現するのだろうか? 山口組の現在、そして今後を検証する。
高山若頭の逮捕により、実話誌では毎週山口組の動向を伝えた。
日本最大の暴力団組織、山口組──。政財界の疑獄、大物芸能人のスキャンダル、土地買収をめぐる恐喝など、戦後日本で起こった多くの事件の背後で暗躍してきたことでも知られている。『警察白書』によると、現在、傘下団体を含めた山口組の構成員・準構成員の総数は約4万人。そんな巨大組織の根底が、ここにきて、ゆらぎつつあるように見える。
10年11月18日、山口組のナンバー2である高山清司若頭が、恐喝容疑で京都府警に逮捕された。翌月1日には、実質的なナンバー3の入江禎総本部長が、暴対法「賞揚等禁止命令違反」(後述)容疑で逮捕。六代目司忍組長も現在服役中のため、事実上、トップ3が不在という異例の事態となっているのだ(入江総本部長は同月24日に保釈)。