「うちのコがこれを喜んで食べるから......」と飼い主
は特定のフードを長期間与えがちだが、そのフード
に問題物質が入っていると、体内への蓄積を進め
る結果になる。
──使い回しに産地偽装と、食にかかわる数々の問題が人間社会では噴出しているが、ペットの世界でもそれは例外ではない。多様化が進み、ペットフードにもさまざまなバリエーションが登場する中で、その食事が、実は彼らの寿命を縮めているのかも──。
年間1兆円を超えるといわれるペットビジネス市場。医療費、生体販売、ペットフード、グッズ販売などが、その売り上げの中心だ。そのうちペットフードはおよそ25%、売り上げにして約2400億円を占めている。ペットフードの主体を占めるのは、犬と猫のフードで、全体の9割以上。なかでも猫よりは体が大きい犬のペットフードが、全体の売り上げの6割を占めているのが現状だ。
だがこのペットフード、実はたくさんの問題を抱えている。原材料、品質、添加物、栄養分など、日本では今年に入るまで、これといった法的規制もなく、メーカーの自主規制任せ。いわば野放し状態で販売されてきたのだ。