──昨秋、韓国の電子メーカー・サムスンのスマホ「GALAXY S」発売が話題となった。同じく電子メーカーのLGも、日本の液晶テレビ市場に再参入を表明している。現代自動車の北米市場での躍進もあり、韓国企業は世界の注目を集めているといえるだろう。この好景気に陥穽はないのか!?
韓国企業を徹底分析している新書『おそるべし韓国企業』。
2010年の経済界を賑わせた最大のトピックといえば、好調が続く隣国・韓国経済に尽きるだろう。
「最強!韓国」(「エコノミスト」2010・4・13/毎日新聞社)、「知られざる韓国の実力」(「週刊東洋経済」2010・7・31/東洋経済新報社)、「韓国企業はなぜ強い」(「ABCマガジン」2010・3/朝日生命保険相互会社)と経済誌では次々と特集が組まれ、「韓国に学べ!」の大合唱が続いてる。
その理由は、08年のリーマンショックから短期間でV字回復を果たし、半導体や液晶テレビなどの分野で韓国企業が日本企業を抜いて世界市場の上位を占めていることにある。09年にはついに売上高ベースで世界最大の家電メーカーとなったサムスン電子をはじめ、同じく電子メーカーのLGや現代自動車などもグローバル市場でシェアを拡大中だ。またフランスや日米連合企業も入札に参加した、中東におけるエネルギープラント事業を相次いでサムスンエンジニアリング等の建設会社が受注するなど、韓国の国際競争力は目覚ましい成長を遂げている。
この躍進の要因はどこにあるのだろうか? 韓国事情に詳しい「コリア・レポート」編集長・辺真一氏は言う。