──ビデオジャーナリストと社会学者が紡ぐ、ネットの新境地──
──11月、尖閣諸島沖で起こった中国船と海上保安庁巡視船の衝突事件を映した流出映像が動画サイトで共有され、世間を賑わせた。だが、それ以上に重大な機密資料が流出していたのだ。公安警察が作成したものとされるそれらの資料には、警視庁が監視対象にしているイスラム系外国人の詳細なプロフィール、監視している捜査員らの情報、さらには、国際会議での警備体制といった文書まで含まれていた。表向き警視庁は、流出した資料を本物とは認めていない。国際政治アナリストの菅原 出氏は、こうした出来事が無理矢理告発者を作っていると指摘する──。
【今月のゲスト】
菅原 出[国際政治アナリスト]
神保 今回は情報流出・情報漏洩をテーマに議論を進めていこうと思います。情報流出というと、まず尖閣ビデオの流出問題を思い浮かべる方も多いでしょうが、もしかすると、それよりはるかに重要な情報の流出事件が、10月末に起こっていたようですね。
宮台 人の命にかかわる情報だから、「もしかすると」ではありません。海自の尖閣極秘情報流出問題がハレーションで吹き飛ぶほどです(笑)。