プロレスラーとしてその名を全世界に轟かし、時には政治家として、時には実業家として活躍の場を変えてきたアントニオ猪木が、プロレスデビュー50周年を迎えた。モスクワや北朝鮮で興行を行い、同国に独自のパイプを持つアントン、今回はマジメに外交問題を聞いた!
軟弱な政策にカツを入れる猪木氏。(写真/ほりぐちあや)
──デビュー50周年おめでとうございます!! 早速ですが、各国に独自のパイプを持つ猪木さんに、昨今の外交問題を伺いたいと思います。まずは尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件では、中国に対する姿勢をはじめ、民主党の及び腰の外交が続いています。この状況はどう見ていますか?
猪木 結局、政治家に余裕がないんでしょうね。自分たちの政権が安定していない中で、そこまで目が向いていかないというか。それと、外交を知っている政治家が本当に少ない。オレは湾岸戦争最中の1990年12月、イラクで人質となった日本人を救出したこともあったけど、そこで学んだことは、日本のモノサシで測るんじゃなくて、相手の立場に立った外交もあるってコト。中国の民主化についても知人の同国要人からは「日本の10倍も国民がいて、民衆に言論の自由を与えると、国家そのものが崩壊してしまう」という声もある。国によって政治の在り方は違いますから、そこは理解した上で話し合うことが大切ですよ。