赤ちゃんに抱き付かれ、人肌の温もりに癒されました。
母性本能というものは、どうすれば分泌されるのでしょう。
赤ちゃんがいる友だちの家に遊びに行ったら、皆で「ダ~」とか「アブブブ~」とか人間語じゃない言葉で赤ちゃんに話しかけていて、最後までまったく会話に入れず、疎外感にうちひしがれたことがありました。
赤ちゃんの可愛さがいまいちわからない赤ちゃん不感症をなんとかしなければ……そんな時、ふと目に入ったのが「乳児院でボランティア」の情報が記載されたチラシです。東京都済生会中央病院附属乳児院【註1】という施設では、乳児の保育介助(授乳・オムツ交換・抱っこ・あやし)などのボランティア人員を募集しているとのことで、参加を決意。ところで、行く前に調べて初めて知ったのですが、乳児院は保育園のような施設かと思っていたら、そうではなく、家庭の事情で養育が困難な子や身寄りのない子が入る所だそうです。最近、乳児虐待、育児放棄などの痛ましい事件【註2】が多いですが、生まれたばかりなのに人生の修羅場をくぐってきた赤ちゃんの保育介助とは、責任重大です。使命感を新たに、港区赤羽橋の乳児院に向かいました。出迎えてくださった看護師長の竹内まつ江さんは、柔和で優しさあふれる女性。どんな赤ちゃんも姿を見た瞬間泣き止みそうです。「乳児院という施設は一般にはまだ認知度が低いですね。