上/お笑いコンテストの模様を収録した
DVDが、各大会年度ごとに数多く販売さ
れ、人気を呼んでいるが......。下/渋谷
にあるヨシモト∞ホール。コンテストに出
場し、芸人の知名度が上がれば、自ずと
吉本の劇場に足を運ぶ客も増える。
──お笑いファンの間で熱く語られる、M-1をはじめとするお笑い選手権をめぐる"ガチヤオ論争"。これらは本当にガチンコ勝負なのか? それとも八百長同然に、優勝者が決められているのか? バラエティ番組に携わる人々に徹底取材を敢行し、その実態を検証した。
01年に漫才日本一を決めるお笑いコンテスト「M-1グランプリ(以下、M-1/吉本興業主催・朝日放送制作)」が始まって以来、大規模なお笑いコンテストに多くの注目が集まっている。02年に始まったピン芸人の祭典「R-1ぐらんぷり(以下、R-1/R-1ぐらんぷり事務局主催・関西テレビ制作)」に続いて、今年はコント日本一を決める「キングオブコント(以下、KOC/KOC事務局、TBSなどが主催・TBS制作)」も開催されたのは周知の通りだ。
これらのコンテストは、「ガチンコ勝負」を標榜しており、優勝すれば1000万円(R-1は500万円)という非常に大きな賞金が与えられる。また、目立った活躍をすれば業界内外から脚光を浴び、飛躍的に仕事が増えるといわれている。それだけに、出場する芸人たちも真剣になるわけだが、各大会の幕が閉じるたびに、その審査体制・基準に多くの疑問が投げかけられている。テレビで放送され、審査員の顔が見える各大会の決勝戦の審査はともかく、そこに至るまでの予選審査については、審査基準が曖昧で八百長や出来レースが横行しているのではないか、という話がしばしば聞こえてくる。そこで、関係者などへの取材を通して、審査の実態についてあらためて検証してみたい。