日本の女子アイドル戦国時代において、頭ひとつ飛び出して首位独走中のAKB48。飛ぶ鳥落とす勢いの彼女たちと、韓国アイドル不動のトップであり、今夏日本にもついに上陸した少女時代の活動形式から、日韓それぞれのアイドルのあり方の違いを探った。
【日韓アイドル対決】
少女時代
07年、歌手活動のほか、俳優、タレント活動など、さまざまなジャンルで活躍する多才な10代の女子9人で構成され、デビューした韓国のトップアイドル。デビュー当初から"アジアを席巻する"という抱負を掲げており、昨年は初のアジアツアーを開催。日本語、英語、中国語が堪能なメンバーがいる。(画像はデビューシングル「また出会った世界」)
AKB4805 年、"会いに行けるアイドル"をコンセプトにデビューした、秋元康プロデュースの女性アイドルグループ。秋葉原に専用劇場"AKB劇場"を持っており、チームごとに日替わりで、ほぼ毎日公演を開催。昨年10月に発売された14枚目のシングル「RIVER」で初のオリコン週間ランキング1位を獲得。現在日本のトップアイドルとして活躍中。(画像はデビューシングル「桜の花びらたち」)
"萌え"など不要、目指すはオールマイティーの完璧さ
■育成~デビュー
素人性や親しみやすさを売りにしているAKB48(以下、AKB)は、一般オーディションでメンバーを選抜。基本的にはメンバーに選ばれた後に歌やダンスのレッスンをして、ステージに立つ。多少ダンスが不揃いで、音を外していても、それが「かわええ……(はーと)」と男性ファンを萌えさせるひとつの魅力となっている。しかし、韓国ではその"萌え"が通用しない。アイドルにも完璧なダンスパフォーマンスと高い歌唱力が求められるかの国では、デビュー前に長い下積みが必要。各事務所が設けている養成所で"練習生"として5年以上も厳しいレッスンを積み、そこから選ばれた者しかデビューできないのだ。少女時代の中で最も練習生期間が長いサニー(所属事務所創業者の姪)は、別事務所での練習生期間を含めて9年間も下積みしていたことに。たとえ事務所幹部の親戚でも、コネは通用しないようだ。そもそも練習生に合格するのも大変で、難関オーディションを勝ち抜かなければならない。晴れて練習生になると基本は合宿生活をしながら、歌にダンス、演技、外国語など、厳しい規則に縛られながら英才教育を受ける(費用はすべて事務所持ち)。デビュー後も基本的にはメンバー全員で共同生活をして結束を高めるのが特徴で、70~80年代アイドル全盛期の日本のアイドルのような厳しい生活を強いられるのだ。ちなみに、練習生期間に顔や脚の"お直し"をしておくのが当たり前という話も。