ここのところ、少しは落ち着いた感はあるが、テレビやスポーツ紙などは連日、裏社会との関係を持ってきた相撲界を批判しまくっていた。まるで暴力団にチケットを渡すことや、彼らと付き合うこと自体が違法行為であり、社会的に断固許されないことであるかのように。
やっぱりコンサートの衣裳は黒服?
もちろん、日本相撲協会が財団法人という公益性を帯びる組織であることを考えれば、厳格な対応は必要だろう。公共放送のNHKが名古屋場所の放送を中止したのも致し方ないのかもしれない。NHKに限らず、民放各局も、公共の電波を預かっている立場ゆえ、その運用も厳しく律されるべきだ。
だが、違和感を覚えるのは、公然の秘密であった角界と暴力団との関係を見て見ぬふりをしてきた各テレビ局が、今回、警察当局が動きだすと同時に騒ぎだしたことだ。さらに問題はある。ベテラン芸能ライターが指摘する。
「相撲界の黒い交際を問題であるとするならば、芸能界のそれを問題にしないのはフェアではない。暴力団と付き合いのある、または、その活動が暴力団の資金源となっている可能性のある芸能人や芸能プロは、即刻テレビから退場を願わなければならない」