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CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評第1回──MOVIE編

今後10年を決める、傑作にして問題作──メジャー作『告白』に衝撃を受けよ

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──低迷する映画業界よ、こんな時代だからこそ攻める映画を! 保守的になりがちな映画業界に喝を入れる映画評。映画を見る前にこれを読むべし!

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『告白』公式HP

 これから先の10年間、『告白』は、日本映画にとって大きなターニングポイントになる。出来の良さもさることながら、その存在性においてもだ。

 舞台はある中学校。終業式の日、1年生を受け持つ若い女性教師(松たか子)は、生徒たちにある"告白をする。数カ月前に学校のプールで幼い娘を失った彼女は、その死が事故によるものではなく、生徒2人の殺人だと断ずる──この映画は、女性教師が教え子に復讐/教育をする物語だ。

 本作は、『下妻物語』など独特な作風で知られる中島哲也監督が、湊かなえのベストセラー小説を映画化したものだ。ストーリーは概ね忠実であるにもかかわらず、その印象は原作とはかなり異なる。そこでは中島監督のクリエイションが、驚異的な水準に達しているからだ。

 しかも、その作風はこれまでの中島作品とも異なる。コントラストの強いカラフルな映像でなく、ブルーに統一された色調が続く。モノクロームにも感じさせるその映像は、レディオヘッドや渋谷慶一郎など、絶えず流れる音楽と絡み合って物語を運んでいく。この演出は、仮構的かつ箱庭的な設定を強い説得力を導き、さらに日本映画にはないスタイリッシュなルックを魅せる。

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