──黎明期から携わってきたインターネットをはじめ、あらゆるメディアにハイパーな視点を注いできた高城剛。最近は、ネット周辺でその名を聞くことが少なくなったが、それは彼が常に黒子に徹し、10年先のメディア世界を見ているせいなのか? そんな高城氏を、同氏とは旧知の仲で、「サイゾー」創刊編集長であり、『FREE』(NHK出版)の監修者でもある「こばへん」こと小林弘人が直撃。南フランスの地から、ネットを介して、高城流「フリー」論が展開された──。
※この対談は、5月末、くだんの騒動で当面日本には帰国予定がないという南フランス滞在中の高城氏と、Vidyo(http://vidyo.co.jp/)のビデオ通信システムを介して行われました。
小林(以下、小) 日本ではiPadが発売されて、メディアが大騒ぎしてるんだけど、高城さんはiPadいくつ持ってるの?
高城(以下、高) 3台(笑)。ちょうど今、iPad用のトラベルガイドのアプリケーションをつくってて、この雑誌が出る頃にはリリースできていると思うよ。写真と音楽とテキストを融合させた、結構新しい感覚のアプリ。まずは、(高城氏の拠点のひとつがある豪州の)バイロンベイっていうところのね。
小 で、どう? 80年代に誰も使っていなかったNeXT【編註:当時、アップルを離れていたスティーブ・ジョブズが手がけたワークステーション。その革新的なOSは、のちにMac OSXに踏襲された】をたくさん揃えて仕事していたり、常に最先端デバイスの消費者でもある高城さんから見たiPad像は?
高 iPadは大きさがいい。新しいデバイスは、デザインとかあまり重要じゃなくて、実は大きさが大事。iPhoneだって、みんなが知ってる携帯と大きさが違うじゃん。ひとりで使うならiPhone。iPadは、2~3人でそれを囲んで、コンテンツを見たり聴いたりするほうが楽しい。