──2007年頃からダウンロード数を稼ぎ始め、着実にユーザー層を獲得、一般的な認知も高まってきている携帯マンガ。急成長を遂げた09年を境に、やや成長が鈍化傾向にあるというこのジャンルだが、今でも出版界の救世主とまで言われているが──。
携帯電話の画面は、まだまだ小さいため、作品のアイコンやマンガのタイトルも直接的な表現のものがダウンロードされやすいという。
読者の雑誌離れ、不況のあおりを受けての広告出稿量の減少などさまざまな要因により、近年ますます悪化の一途をたどる出版不況。特に、2月23日に発表された講談社の過去最大の赤字という決算概要は業界内外に衝撃をもたらし、出版不況がより深刻なものとなっていることを印象づけた。
また出版科学研究所の統計によると、コミック誌は1995年を、またコミック単行本は06年をピークにそれぞれの販売額は減少傾向にある。合計販売額についても、09年は18年ぶりに2000億円を下回る1913億円にとどまり、過去最大の落ち込みを記録。これまで出版業界を牽引してきたコミック市場も縮小傾向にあることが明らかとなった。
このようにどこを向いても悲観的なニュースばかりの出版業界だが、そんな中で唯一右肩上がり急成長を見せているのが、「ケータイコミック市場」である。