昨年3月の公設秘書電撃逮捕から1年。民主党の最高実力者・小沢一郎幹事長の立件にこだわり執拗な捜査を続けながら、検察当局は自らさじを投げてしまった。
民主党はもとより、検察内部からも「うちの幹部たちは政界捜査の経験も乏しければ怖さも知らずに見切り発車し、できないとわかると責任放棄……。今後、政府に人事をかき回されるのは必至だよ」と不満が噴き出し始めた。「民主党vs検察」の権力闘争とは名ばかりで、実態は、当事者能力のない検察と、政権与党なりたての幼い民主党が、収まりのつかない子どものケンカを繰り広げた1年にすぎなかったのだ。