警視庁には天下りを斡旋するセクションがある──。そんな衝撃的な事実が「フラッシュ」(08年4月29日号)に掲載された。では、これらを受け入れる企業側には、一体どんなメリットがあるのだろうか? 癒着に肉迫したジャーナリストに話を聞いた。
「フラッシュ」(光文社/4月29日号)に掲
載された記事。
警察出身者が民間企業に「天下り」するケースが増えている。警視庁における天下り斡旋セクションは、「警務部人事一課人事企画第2係」(通称・人材情報センター)。そこに提出された民間企業からの求人票を調べ上げたジャーナリストの寺澤有氏によると、警察との結びつきが強いといわれるセコム、綜合警備保障などの警備会社に加え、日本マクドナルドやヤマダ電機など数百社に及ぶ有名企業が警察OBを受け入れており、近年、その採用数は増加傾向にあるのだという。
その背景には、警察サイドが抱える「2007年問題」があると寺澤氏は解説する。
「団塊世代の警察官の定年退職時期が07年以降ピークを迎え、約10年間にわたって毎年1万人ほど退職すると見られています。警察内部ではこうした退職者の再就職先探しは大きなテーマであり、自分たちの力で天下り先を確保しなければいけないという意識が広く浸透しています。彼らは、事件や事故で企業関係者と会った際に『僕らの先輩でよい人材がいる。おたくの会社に招いてみてはいかがだろう?』と、さりげなく紹介するのです」