"影"のないタレント本は誰も得しない
渡辺拓滋(EDGE STYLE編集長兼敏腕出版プロデューサー)
今年、これはすごい! と思って、出版されてすぐに買って読んだのは、『襲撃 中田カウスの1000日戦争』ですね。カウスさんの証言もかなり長く入っていて、彼が警察で聴取を受けていた時に暴力を振るわれたことや、吉本興業の現経営陣対創業家のお家騒動の真相など、雑誌や新聞には載らなかったところまで肉迫して書かれた本なんです。特に、新体制になった吉本が、芸能界の古い体質であった"興業とヤクザ"の関係といかに決別しようとしたかという部分は、読みごたえがありましたね。